日本人は働き過ぎとよく言いますが、2015年のデータではOECD(経済協力開発機構)加盟38ヶ国の中で、日本の労働時間は15位と下がっている傾向にあります。

しかし、私たちの実感はどうでしょうか?ニュースでは過重労働を苦に自殺した人のことが報道されています。世界との激しい競争にさらされる中で、労働環境はますます過酷になってきています。

私もサラリーマン時代は過酷な職場で働いていました。やはり、同僚の中には、辞めていく人も多く、その半数は心身の健康を崩してしまうことが原因でした。そして、私自身も結局、体を壊して辞めてしまい、今はフリーランスとして働いています。

そんなフリーランスの良い所は、働く時間は自分でコントロールできることです。今では私は1日に6時間しか働いていません。

でも、これはよくある「私は6時間しか働かなくて良いんです。羨ましいでしょ!」なんていう煽り文句ではありません本当に6時間くらいが限界なのです。

サラリーマン時代から毎日定時で帰宅できる週があっても、キツイと感じてましたし、サラリーマンを辞めた理由も、体を壊したからなので、自分はそもそも貧弱なんだろうと思ってました。

でも、本当にそうなんでしょうか?そもそも、1日の労働時間が8時間の根拠って何なんでしょうか?人間は何時間働くのがベストなんでしょうか?

考えているうちに、1日8時間の労働は長いと感じるようになってきたのです。そして、今の自分の働き方が、最も自然だと思うようになりました。

そこで、今の世の中が8時間労働になっている根拠と、人間にとってのベストな労働時間を見ていきましょう。

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1日8時間の労働が長い根拠

サラリーマンとして働いていると、1日の労働時間が8時間というのは、当たり前で特に疑わずにいると思います。そこから更に残業する人が多いので、定時で帰宅できればむしろ短く済んだと感じるのではないでしょうか?

だから、8時間労働ですら長いなんて考えるのは、良くない事だと思うかもしれません。しかし、1日の労働時間が8時間が良いとされていることには、実は明確な根拠がありません。

それは歴史を見てみると分かります。

8時間労働制の歴史


1日の労働時間を8時間とする制度は、日本では8時間労働制と呼ばれています。

8時間労働制とは、労働者の健康を守るために、休日を除き1日8時間以上、週の合計で8時間以上働かせることを禁止する制度です。

では、なぜ1日の労働時間が8時間になったのでしょうか?それは産業革命当時にまで時代を遡る必要があります。

当時のイギリスでは労働者の平均労働時間は1日になんと13時間、繁忙期には16時間以上も働かされるケースがありました。こんなに重労働なのに、週休はたった1日だったのです。

その後1810年にロバート・オーウェンという人物が自分が共同経営者として携わっている工場の労働者の実情を目の当たりにし、1日10時間労働を導入しました。

その後は更に1日8時間労働を目標にして「仕事を8時間、休息に8時間、やりたい事に8時間」というスローガンを作って、労働者保護の活動をしたのです。

そのかいもあって、イギリス政府は1833年に工場法制定し、その後の度重なる改正を経て1874年には、労働時間を月曜~金曜までは1日10時間以内、土曜日は6時間以内の週56時間以内にすることが義務付けられました。

だいぶマシになったとは言え、まだだいぶ長いですね。

その後舞台はアメリカに移ります。1886年の5月1日にアメリカ全土の労働者が8時間労働制を求めるストライキを行いました。更に1890年の5月1日にはアメリカだけでなくヨーロッパやオーストラリアでも8時間労働制を求めてストライキを行いました。この時にも「仕事を8時間、休息に8時間、やりたい事に8時間」が掲げられました。これ以降、毎年5月1日にメーデーが行われるようになったのです。

そして、1919年に国際労働機関(ILO)が労働時間は「1日8時間、週48時間」と定める国際労働基準を作り、世界的にもこれを基準にするようになっていったのです。

そして、日本の場合は戦後の1945年に定められた労働基準法により「1日8時間、週48時間」の8時間労働制が定められ、更に1987年に”週48時間”が”週40時間”に改正されて、今に至ります。

しかし、ここまでで分かるのは、1日の労働時間が8時間が最適というのは、あまり根拠がないということです。労働者たちが1日の1/3の時間にしてくれと言ったのがきっかけなわけです。

実は8時間以下は検証されてない

このように8時間労働は労働者たちが、それで良いと言ってるから、そう定められているだけです。そうであれば、いわゆる資産家階級の人たちは、それ以上短くしようなんて考えませんよね。

実際に最も生産性が上がる労働時間は何時間なのか検証したデータもありません。もしかしたら、もっと生産性の高い労働時間があるかもしれないわけです。

もし、8時間よりも短い方が生産性が高ければ、今よりも労働時間を短くする代わりに、たくさんの労働者を雇う必要が出てきます。そうなると労働力確保のため、雇用が増えます

労働時間が減ると給料が減る心配がありますが、生産性が上がれば、売り上げも上がるため、案外あまり下がらないかもしれません。更に労働時間が減った分は、余裕が生まれるため、過重労働による心身の病気や少子化などの問題も改善するかもしれません


このように最も生産性の高い労働時間を見つけることには、重要な意味があります。

では、いったい何時間が最適な労働時間なのでしょうか?

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最適な労働時間は何時間?

実際に日本の歴史では、縄文時代の人は生きるのに必要な食料を得るためには、2時間~4時間の労働で十分だったと言います。

江戸時代の町人は、5時間で、農民は時期によってかなりの差があるものの、平均4時間だったといいます。更に武士の場合は城に出仕して4時間程度働くのですが、1日働くと次の日は非番なので、なんと2時間~3時間程度だったらしいです。

とは言え、これは昔の話です。現代社会ではいったい何時間が良いのでしょうか?

人間は何時間働くのがベスト?


現代社会は技術革新も進んでいますし、働き方も昔とは全然違います。

そのため、世界で最も生産性の高い国の働き方を分析してみることにしました。

OECD加盟国の中で労働生産性の高いベスト3の国の労働時間から、1日の労働時間を推測してみました。

【労働生産性の高い国の労働時間】
国名 労働生産性(ドル) 1年の労働時間 1日の労働時間(年240日働いたとして)
アイルランド 153,963 1,529 6.37
ルクセンブルク 143,158 1,509 6.27
アメリカ 121,187 1,790 7.45
※参考資料
⇒公益財団法人日本生産性本部の労働生産性の国際比較(2016年版)

アイルランドやルクセンブルクは、1日に約6時間半しか働いてないのに、労働生産性がトップなのです!ちなみに日本の場合は1,745時間で74,315ドルです。

ただし、この数字は1年に240日働いた前提で、算出しているので、もっと働いている日数が少なければ、1日平均の労働時間は増えます。そうだとしても、日本よりも短い労働時間で、遥かに労働生産性が約1.7倍も高いのは驚きですよね!

ちなみにOECD加盟国で最も労働時間が短いのはオランダの1,384時間ですが、それでも労働生産性は98,364ドルです。日本人の働き方が、いかに効率が悪いかが分かりますよね。

私の場合

世界で最も生産性の高い国の1日の労働時間は6時間半というのは驚きですね。

最初にお伝えした通り、私もお昼の休憩を抜いてもせいぜい6時間くらいが限度です。その後に、仕事のための情報収集や勉強をしようと思っても、全然頭に入ってきません。

頭が疲れてしまうと、集中が必要な事やクリエイティブな事は無理です。どうしてもやりたいのなら、あまり頭を使わないで済む単純作業をするようにしてますが、それでさえダラダラやってしまって、効率は低くなってしまいます。

どうやら、人間の労働時間は1日6時間前後が良いようです


となると今の私たちの労働時間はもっと短くする必要があります。ところが日本の場合、労働基準法第36条に基づく労使協定(サブロク協定)が、ほぼ全ての会社で結ばれているので、実際には8時間以上働くのは当たり前になっています。

ただでさえ長い労働時間を短くするには、いったいどうすれば良いのでしょうか?

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労働時間を短くする方法はないの?

1日の労働時間を8時間より短くしたいと思っても、正規雇用で働いている限りは困難です。だからといって、非正規雇用で働くのは、賃金が下がってしまうため、現実的ではありませんよね。

そうなると、国の制度に期待するしかありません。

まだ、実現してはいませんが、例えば次のような制度です。

  • 同一労働同一賃金
  • ベーシックインカム制度

どういった制度なのか、説明していきます。

同一労働同一賃金

今の日本では、同じ仕事をしていても、雇用形態の違いによって賃金に格差があります。

例えば、全く同じ経理の仕事をしていても、正社員と派遣社員では収入に差がありますよね。同一労働同一賃金とは、こういった雇用形態の違いがあっても、同じ内容の仕事をしているのであれば、同じ賃金にしようという考え方です。

これが実現すると、自分のライフスタイルに合わせて、労働時間を調整できるため、育児や介護をしている人も働きやすくなります。そもそも、そんなに働きたくないという人も、自分が稼ぎたい金額だけ稼いだら、後は働かないということもできるわけです。

オランダなどのヨーロッパの一部の国では、既に一般的になっている制度です。

ベーシックインカム制度


これは最近議論されている制度です。

今や世界中の国々は、社会保険や医療費、年金などが国の財政を圧迫しています。

ベーシックインカム制度とは、それらの社会保障を全て廃止する代わりに、全ての国民に一定金額のお金を支給するのです。いわば、何もしなくても国から給料が貰えるわけです。

そのお金で十分な人は、働かなくても良いですし、もっと稼ぎたい人はたくさん働くことができます。やはりこれも自分のライフスタイルに合わせて働く時間を調整できるわけです。

この制度はヨーロッパの一部の国で、社会実験が始まっている程度で、まだ導入している国はありませんが、これからの社会の在り方を考える上でとても注目されています。


とは言え、これでは国の制度や法律が変わるのを待つしかありません。

実際に私たちにできることは無いのでしょうか?

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今のところはフリーランスになるしかない!?

働く時間を全部自分でコントロールしつつ、それなりの収入を得ようと思うと、今のところは起業したり、フリーランスになるしか道が無い現状です。

しかも、最初の立ち上げ時期は、6時間労働なんて甘いことは言ってられません。それこそ睡眠時間を削って、必死に働かなければ、そのような自由は手に入らないでしょう…。

今の日本は職業の選択肢は多くても、働き方の選択肢は非常に少ない社会です。不自由ない生活ができるくらい稼ごうと思うと、正規雇用(≒8時間労働)の仕事に就かなければ成り立ちません。

私も今はフリーランスの働き方で、何とか生活できるくらいの収入になりましたが、最初は睡眠時間は4時間~5時間で頑張ってました。私の場合は恵まれていることに、上手く稼げるようになりましたが、全ての人がそのように行くとは限りません。


そこで、発想の転換が必要になります。1日6時間労働になると、一気に収入が減ってしまいますが、減ったなりの収入でも生活できるライフスタイルにすれば良いのです。

例えば、私が考える手っ取り早い方法が、お金がかからないライフスタイルに変えてしまう事です。生活費が安く済めばそもそも稼ぐ必要はありません。

そんなライフスタイルについては、こちらの記事の最後の方に書いていますが、使うお金が減ると働き方の選択肢も広がります。ちょっと発想を転換してみるのも、これからの時代、重要かもしれませんよ!
資本主義経済の成長はもう限界!生き残るためにはナマケモノになれ!

まとめ


日本はまだまだ残業して頑張るのが当たり前です。社会的にも過重労働は問題があるという認識が広がってますが、いざ自分が早く帰れるかというと、上司や同僚の目や仕事の多さなどのせいで、なかなか難しいですよね。

そんな社会なので、8時間労働ですら長いなんてなかなか言えないかもしれません。

しかし、実際には1日の労働時間は6時間前後が最も良さそうな事は、世界で最も労働生産力が高い国が証明してくれています

いっそ残業を全面的に禁止した方が、色々と良い効果が出そうな気がしますが、経済団体の反対するので、国にはそんなことできないでしょう。

そうなるとできることは、まず自分が変わることです。今の労働制度では、いきなり1日6時間労働は無理なので、まずは定時に仕事を終わらせることから始めてみませんか?

残業してしまう理由の上位には「上司や同僚の目があるから」というのがあるそうです。だとすれば、自分が早く帰れば、その目を1人分消すことができて、その分周りの人も帰りやすくなるかもしれません。

8時間労働は長いと思うのであれば、せめてまずは1日に8時間以上は働かないようにすることから始めてみてください!