皆さんはもの凄く忙しいのに、そんなに疲れを感じないなんて経験はありませんか?全く疲れてないわけじゃないんだけど、何とか頑張れてしまうような状態です。
皆さんも疲れているのに、仕事になると元気が出て頑張れてしまうなんてことありますよね?でも、これはマスク効果といって、実は過労の原因になるとても危険なことなんです!
私のサラリーマン時代を振り返ると常にこのマスク効果が働いていました。毎日忙しく働いているせいで体調はあまり良くないのですが、休むほどではないので仕事をしちゃうということをずっと続けていました。結局、そんなことを続けていたらいつの間にか心臓の持病が悪化して、仕事を続けられなくなってしまいました。
私の場合、サラリーマンを辞める原因は、マスク効果によって疲れをごまかしながら無理を続けたことが原因だったのです。
フリーランスになった今は働く時間は自分で自由に決められるようになりました。心臓の持病がある私にとって、これはとてもありがたいことです。おかげで働き過ぎで疲れ切ってしまうなんてことは、ほとんどない毎日です。
しかし、つい最近もたまたま色んな予定が集中してしまい、3日間連続で早朝から夜の終電間際まで働くことになりました。その3日間を何とか頑張り4日目はフリーだったので、いつも通り仕事をするつもりでした。しかし、起きようとしても、体が動かなくてそのまま昼前まで寝込んでしまったんです。結局、その日は体が動かなかったので、仕事はほどほどにして休養日にしてしまいました。
実は私の場合3日目には、体が疲れていましたが、家から出たら元気が出てきたので、そのまま夜まで頑張って働いてしまったのです。
いったいなぜ人間は疲れているのに頑張れてしまうのでしょうか?
最近のこの経験から、改めてマスク効果って危険だと感じたので、皆さんにも伝えるべきだと考えました。
そこで、今回は疲れを感じない人の原因であるマスク効果と、過労を防止するための習慣をお伝えします。
目次
過労の原因
過労とは文字通り、労働し過ぎてしまうことです。
しかし、そもそも人間は疲れたら働けなくなるはずです。疲れたら休養が必要なはずです。それなのに、なぜ疲れていても働き続けることができるのでしょうか?
その理由は自律神経の働きにあります。
過労の原因は自律神経
自律神経は生きていくために必要な体の機能をコントロールする働きがあります。自分の意思でコントロールすることはできず、自動で働いています。
そして、この自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があります。交感神経は活発に活動する昼間に優位に働き、脳の集中力や体の運動機能を高める効果があります。
一方の副交感神経は、夕方から朝に優位に働き、心身をリラックスさせ休ませる働きがあります。
人間は交感神経と副交感神経がバランスよく働くことで健康な生活を送ることができます。しかし、仕事が片付かなかったり、何か重要な予定があったりすると、夕方以降も交感神経が優位な状態が続きます。
その結果、体は多少疲れていても、働き続けることができます。これが過労の原因になのです。
しかし、これだけならいつかは疲れが溜まって働けなくなるので、過労死するほどの危険な状態にはなりません。本当に怖いのは、強いストレスがある時です。
マスク効果の怖さ
単純に忙しいだけなら、人間は限界を超えるまで、働き続けることはありません。しかし、強いストレスがあると人間は限界を超えて働くことができてしまうのです。
ストレスは自分の命や生活の安定に危険がある時に感じるものです。この時には自分の身や生活を守るために、交感神経を極度に活発にさせ脳と体の機能を最大限にアップさせます。
脳ではアドレナリンやドーパミンなどの脳の働きを活発にさせるための脳内ホルモンが分泌されます。体では心拍数と血圧が上がり、筋肉に血液がたくさん送られるようになります。
これだけでも心身共にかなりの負担がかかっている状態ですが、更に厄介なのが最初にお伝えした「マスク効果」なのです。
強いストレスを感じている時は緊急事態なので、体に無理をさせてでもその危機を回避する必要があります。そのために体の活動にブレーキをかける、痛みや疲れなどを感じさせないようにするのです。
朝起きて疲れを感じても、家を出て仕事モードになると元気が出てしまうのは、このマスク効果のせいなのです。
マスク効果は本当は疲れているのに、それを感じないようにしているだけなので、無理を続ければいつかとんでもないことになってしまいます。つまり、それが過労死なのです。
では、マスク効果による過労を防ぐにはどうすれば良いのでしょうか?
過労防止方法
普通人間は疲れていたら、誰でも休みたいと思うものです。
しかし、マスク効果の問題は疲れを感じなくなってしまうことです。そのため「疲れたら休む」という普通の考え方では、対処できないのです。
そこで、過労防止のための唯一の効果的な方法は「強制的に休養日を作る」ことです!
疲れを感じていなくても、定期的に休養日を入れることを習慣にしましょう。ただし、休養日と言っても、ただ休めば良いというわけではありません。
大切なポイントがあります。それが次の3つです。
- 仕事を絶対にしないと決める
- 睡眠を十分とる
- ストレス解消を心がける
休養日と言っても、丸1日休む必要はありません。大切なのは、休養日には、自分の心身を癒すための行動をちゃんとやることです。
というわけで、それぞれのポイントを解説していきます!
仕事を絶対にしないと決める
まず一番重要なのが、休養日にはストレスの原因になるような仕事は絶対にしないと決めることです。
丸1日休むと決めても良いですし、余計な残業はせず定時で帰ることにしてもOKです。このようにして、ストレスの原因になることを自分の意思で断ち切ることが重要です。
たまたま仕事が無いから休むという心構えよりも、自分の意思で切り替えることの方が、心身を癒す効果が高いのです!
睡眠を十分とる
休養日には睡眠を十分とるようにしてください。
十分な睡眠は自律神経の働きを整える効果があります。ちゃんと寝ることで副交感神経が優位になるため、マスク効果も解除することができるのです。
冒頭で私が3日連続で働いた後の4日目に起きれなかったというのも、十分に寝たおかげでマスク効果が解除されたことが原因です。
マスク効果が無くなると、自分の体がどれほど疲れていたかがよく分かると思います。
ストレス解消を心がける
休養日にはストレス解消を心がけましょう。
ストレスが続いている限り、マスク効果は継続してしまうため、体の疲れを取ることができません。
趣味や運動など、自分が好きな事なら何でも構いません。意識してストレスに対処するようにしましょう。
ちなみにストレス解消法については、こちらの記事に詳しく書いているので参考にしてみてください。
⇒ 毎日のストレスの解消法!簡単にできる4つの方法を紹介!
マスク効果は過労状態を招くため危険です。知らない間に過労状態になることを防ぐには、定期的な休養以外にもできることがあります。
それが、自分の疲労状態を見極めることです。
そのために今度は過労の症状を見ていきましょう。
過労の症状
ここまでマスク効果は、過労を分からなくする怖いものだとお伝えしてきました。
しかし、実際には過労の症状は誰でも自覚できるものです。
例えば過労の症状には次のようなものがあります。
- 動悸
- 胸の苦しさ重さ
- 胃が重くて食欲が無くなる
- 体がだるい
- 眠気がある
- めまいや耳鳴りがする
- 肩こり
- 頭痛
これらはどれも仕事を休むほどの症状ではないため、つい無理をしてしまいます。そして、これが自分の普通の状態なんだと思い込んでしまうのです。
しかし、実はこのような症状が出る時は、かなり疲れが溜まっています。もちろん個人差はありますが、このような自覚症状が出るまでの期間は、ほんの2日間~3日間程度です。たったこれだけの期間無理しただけで、人間は過労状態になってしまうのです。
現代人の生活では「あ~疲れたなぁ」と感じた時点でもう危険信号です。疲れを感じたらその疲れにを取ることを普段から意識してください。
そして、マスク効果によって症状がごまかされているにもかかわらず、自覚症状があるというのは、とても危険な状態です。
なぜなら過労は突然死を招く危険なものだからです。
最後は過労死が起きる原因を見ていきましょう。
過労死の怖さ
過労の怖さは、ある日突然命に関わる病気になる可能性があることです。
私の場合はストレスと過労によって心臓の持病が悪化して仕事を続けられなくなってしまいました。しかし、見方を変えると、元々心臓に持病があったため、過労死するよりも前に先に心臓が弱ってしまったともいえます。
むしろ健康な人の方が、無理できてしまうため、極限まで過労状態になしまう危険があります。その結果、過労死してしまうリスクが高いのです。
そんな危険な過労死は大きく分けて次の2つです!
- 心疾患
- 脳卒中
過労が原因でなぜこのような病気になるのか、順番に解説していきます。
心疾患
過労が原因で起きる心疾患には、心筋梗塞や不整脈(心臓発作)があります。
働いている時は交感神経が優位に働いています。交感神経は体を活動的にするため、心臓を活発に動かして、血圧と心拍数を上げるのです。
このような状態が長期間続くと、当然心臓に負担がかかり、疲れてしまいます。その結果、心臓の機能が低下し、最悪の場合不整脈が起きることがあります。
不整脈の中には数分で死に至る危険なものがあります。また、自覚症状の無い不整脈の場合でも、心臓の中の血流に乱れが生じ、血の固まり(血栓)ができてしまうことがあります。
こうしてできた血の固まりが、心臓を流れ出て心臓に血液を送っている冠状動脈を詰まらせると、心筋梗塞などの病気になるのです。心臓に血液が送られなくなると、最悪の場合心臓が停止してしまうため、命の危険がある非常に怖い病気です。
また、血の固まりが肺に行くと、肺の血管を詰まらせる肺血栓という病気になることもあります。肺血栓は詰まった血管によっては、血液に酸素を取り込むことができなくなるため、やはり命の危険がある怖い病気です。
脳卒中
過労死の原因の病気には脳卒中も多いです。
心臓の不整脈が原因でできた血の固まりは、血管を通って脳にまで届き、脳の中の血管を詰まらせることがあります。
脳の血管が詰まると、その先に血液が送られなくなり、脳細胞がダメージを受けます。そのため詰まった血管の場所によっては、命の危険があります。
このように過労は突然死に至る怖いものです。しかも、健康な人ほど無理できてしまうため、そのリスクが高まります。
自分は健康だからと過信せず普段から定期的に休む習慣を身に付けてくださいね!
まとめ
本来、人間は疲れたら休まなければいけません。疲れていても働けるのは、何か自分の身に危険がある時だけです。
しかし、現代の生活では常にストレスがあるため、疲れていても無理して働けてしまう状態がずっと継続してしまうのです。そして、この無理を可能にしているのが、マスク効果です。
そのため、常に自分にはマスク効果が働いていることを意識して、普段から自分を強制的に休ませる習慣を身に付けることが非常に大切なのです。
そして、休養する際には次の3つのポイントを押さえることが大切になります。
- 仕事を絶対にしないと決める
- 睡眠を十分とる
- ストレス解消を心がける
暇だから何となく休むのではなく、自分の意思で仕事をしない日を決める!
マスク効果を解除するために最も効果的なのは、深い睡眠なので、休養日には十分に寝ること!
ストレスがあるとマスク効果が働いてしまうので、自分に合ったストレス解消習慣を持つ!
現代人は自分でも気が付かないうちに過労になる傾向があります。無理を続けると最悪の場合、命の危険がある病気につながります。
そのため「疲れたな~」と感じたら進んで休むことを意識してください!
疲れを甘く見ないで、自分を労わった生活をしてくださいね!