私は40歳を過ぎるまで、ずっとシステムエンジニアをやっていました。
好きでなったシステムエンジニアでしたが、元々心臓の持病がある私が、ハードなIT業界で周りと同じ働き方をするのは、無理がありました。
それでも20代の頃は、月100時間以上の残業なんかもしていましたが、30歳頃からは、少しの残業でも、体調悪化するようになっていきました。
こんな働き方を続けていたら、定年まで絶対に体が持たないと考えた私は、その頃から不要な残業を一切止めることにしたのです。
結局は、残業ゼロでもストレスはどんどん増していき、最終的には、体を壊して会社を辞めてしまいましたが、それまでの10年以上もの間、平均の月の残業時間は10時間未満でした。
「定時で帰るなんて、同僚や上司の目が気になってできない!」とか「残業が当たり前の職場なので、自分だけ定時で帰るなんて無理!」なんて思うかもしれませんね。
でも、難しいのは、実は最初の頃だけなんです。
その大変な時期を乗り越えれば、あとは何の努力もしなくても、残業ゼロのままでいられるんですよ!
というわけで、今回はしたくない残業をしない方法をお伝えします!
目次
基本的な心構え
定時帰りのコツを紹介する前に、まずは最も大切な心構えから紹介します。
一番大切なのは、定時で帰ることが、自分の人生を豊かにするために、最も必要なことだと確信することです。
たった2日~3日だけ、定時で帰っただけでは、意味がありませんよね?
そのために、まず次の3つの心構えを持ちましょう。
- “出世に影響する”とか考えない
- 残業代は当然ゼロ!
- 定時帰りは同僚も会社もハッピー!
したくない残業をしないためには、毎日毎日、色々な誘惑や困難を乗り越えて、定時で帰り続ける強い意志が必要です。
そのために役立つマインドセットなので、順番に説明していきますね。
“出世に影響する”とか考えない
「出世できなくなるかなぁ…」とか「人事評価にマイナスになるかなぁ」なんて考えるのは止めましょう。
そもそも、昇進とか人事評価は、会社側が決めることです。実は自分が直接コントロールできることではないので、心配しても仕方ありません。
出世できるかどうか悩んで不安になるくらいなら、バリバリ働いて、残業もするべきです。
しかし、残業したくないと思っているということは、出世以外に大切なことがあるか、残業せずに自分のやりたいことをやりながら、出世もしたいと考えているかのどちらかですよね?
このような迷いは、”残業しない”という決心を最も弱くするものなので、一切考えないようにしましょう。
残業代は当然ゼロ!
当たり前なのですが、残業しなければ、残業代もゼロです。
残業しないのは、お金ではなく、したいことをするための時間や、生活の余裕が欲しいからだと思います。
お金以外の価値を見据えて、定時で帰る決心が揺らがないようにしましょう。
でも、そもそもサービス残業だなんて人もいるかもしれませんね。
そういう人はなおさら、無駄で理不尽な残業は、ゼロにしましょう。
定時帰りは同僚も会社もハッピー!
自然にしていると「周りが残業しているから、自分も残業することが、会社への貢献になる」なんて考えがちですよね。
しかし、やるべき仕事をきっちりとやり遂げた上で、定時で帰ることは、同僚にも会社にも大きなメリットがあります。
きっちり定時で帰る人がいれば、自分も早く帰りやすくなる。
早く帰る人が増えれば、職場全体が早く帰りやすくなる。
最終的には、早く帰りたい人を尊重し、残業したい人は好きなだけ働く、互いを尊重し合う職場になる。
【会社のメリット】
残業時間が減れば、余計な人件費が減る。
職場全体の残業時間が減れば、人件費だけでなく、光熱費などの経費も減る。
その結果、職場全体の生産性が上がる
このように、ちゃんと仕事をやり遂げた上で、定時で帰ることは、メリットばかりです。
変な引け目は感じずに「したくない残業はしない!」という強い心を持ちましょう。
というわけで、心構えを持ったところで、次はいよいよ残業ゼロを目指す方法を見ていきます。
まずは、残業ゼロを実現するための、目指すべきゴールから見ていきましょう。
目指すゴール
残業しない生活を実現することは、実は自分の周りの環境を変えることです。
毎日定時で帰るためには、周りの人たちにも、自分に残業をさせない配慮(というよりも諦め?)をしてもらう必要があります。
そのためには、周りの人に次のように思ってもらうことがゴールになります。
- 仕事をちゃんとこなす人
- 定時で帰るのが当たり前の人
自分がこのような人だと、思ってもらえるようになると、何もしなくても定時で帰れるようになります。
このように思ってもらうための、コツをお伝えしますね。
仕事をちゃんとこなす人
ますは周りから「○○さんはちゃんと仕事をこなす人」と思ってもらうことが必要です。やはり、これが一番大切です。
定時で帰るという、自分の権利ばかり主張するのは都合が良すぎますよね。
ちゃんと仕事をやり遂げることは、絶対条件です。
私の場合、10年間のうちの最後の1年は、ブログ運営で副収入を作るという、強い目的がありました。そのため、朝から全力で仕事をしました。
振られた仕事は、基本的に断りませんが、それでも定時で帰ることは死守するのです。
定時で帰りつつも、同僚や上司からは、”ちゃんと責任を果たす人”という信頼を勝ち取ってください。
定時で帰るのが当たり前の人
2つ目が周りから「○○さんは早く帰る人」と思ってもらうことです。この認識を持ってもらえなければ何の意味もありません。
仕事はきっちりすることに集中し過ぎて、相変わらず残業を続けていては、周りの人たちはいつまで経っても、この認識を持ってくれません。
だからこそ、定時帰りは絶対に妥協しないでくださいね。
さて、ここまでは残業しない生活を、実現するための方法を見てきました。
仕事をやり遂げて、定時で帰ろうとするのは、簡単じゃありません。強い心が必要ですし、仕事のやり方をかなり効率化しないと難しいでしょう。
実際にやってみると、毎日違ったシチュエーションで、邪魔が入ることだと思います。
そこで、今度は実際に私がどのような流れで、定時帰りを繰り返したのか?その流れを紹介します。
残業しない人が定着するまでの流れ
ここからは実際に私が残業をしないために、どのようにしていたかを紹介します。
“残業ゼロ!”と言っても、あくまでも自分がしたくない残業をしないことが目的です。
定時で帰ることにこだわり過ぎても、自分の首を絞めるだけです。そのため、やむを得ない残業は、無理せずやるようにします。
というわけで、見ていきましょう。
初期の頃
まず、初期の頃は、淡々と定時で帰るようにします。
自分自身も慣れていないので、まぁ、そそくさと目立たないように帰ります。
周りも自分の変化に気付いていないので、「なんか○○さん最近早く帰るな…」くらいにしか思われません。この頃は何も難しいことはありません。
ただし、すぐに壁が立ちはだかります。
周りは今まで通り、夕方だろうが、定時後だろうが、構わずに仕事を振ってきます。
その時が一番肝心です!緊急の時以外は、必ず「明日に回しても良いですか?」と了承を貰った上で、そのまま帰ってしまいます。
そのうち、周りも自分の変化に気付き始めて、「最近、早く帰るのは何でですか?」なんて聞いてきます。
その時には「プライベートで予定があるので…」と言って帰るようにしていました。
別にこれは嘘じゃありません。私が定時で帰るのは、ブログ運営の作業時間を確保するためなので、ちゃんとした予定です。
自分のためにやってることを、理由にして帰るのは気が引けるかもしれません。しかし、やるべき仕事をちゃんとやっているのであれば、すぐに慣れてしまうものですよ!
数か月後
そんなことを数か月間も続けていると、今度は新たな問題が出てきます。
周りよりも、自分だけ早く帰っていると、”仕事の量が少ないのではないか?“と勘違いされ、自分に振られる仕事の量が増えることがあります。
この時の対応は悩ましいのですが、基本的には引き受けるようにします。
そして、それでも定時で帰るのであればOKです。しかし、残業をしなければ終わらないくらいの仕事量になってしまったのであれば、その時には、上司に助けを求めるようにしました。
こうして、仕事の手伝いや、再分配をしてもらうことで、調整するのです。
でも、皆さんの中には、「そんなことお願いできるような職場じゃない」とか「残業してでも終わらせろ!って言われるだけだ」なんて思う人がいるかもしれません。
もし、それが事実だとしたら、そもそもそんな職場はあまり良いとは言えないかもしれません。
健全な職場環境であれば、残業するかしないかは、自分次第で決められるものです。
自分の力だけでは難しいと思うのであれば、転職も考えてみてください。
定着度合の判断ポイント
そうやって、頑張っていると、段々と周りの人たちの認識に変化が出てきます。
「○○さんは定時で帰る人」というのが、定着してくると周りの人たちからこんな風に言われるようになります。
- 「もう帰っちゃいますよね?」
- 「これ明日やってくれる?」
このように、周りの人から、定時で帰ってしまうこと前提の言葉が出てくるようになれば、十分に定着した証拠です。
あとは、今まで通り、きっちりと仕事を片付けながら、定時で帰ることを続けてください。
周りもそれに配慮してくれるようになり、残業しないで済むように配慮してくれるようになります。
ここまでくれば、頑張らなくても残業しない生活が実現しますよ!
まとめ
というわけで、今回はしたくない残業しない方法を紹介しました。
この記事にも書きましたが、実は週40時間という労働時間ですら、特に根拠のない数字です。
⇒ 8時間労働は長い!8時間労働制の根拠と最適な労働時間を考えてみた!
毎日定時で帰ったって、日本人は働き過ぎなのです。
今回紹介した方法をもう一度簡単にまとめておくので、是非、参考にしてみてください。
- 仕事をきっちりやり遂げて残業しないのは、同僚にも会社にも利益がある
- 残業しない目的を作る!
- 理由を聞かれたら、「重要な予定があるから」と言えば良い!
- 「もう帰りますよね?」「これ明日やってもらえる?」と言われるまで頑張る
職場環境が変われば、みんなハッピー!経費削減で会社もハッピー!
残業しないことでできた時間で、やりたい事、実現したい事を作る。
自分のために何かをやる事は立派な予定。たとえ帰って寝るだけでも、”休養”という予定!
周りの人に「○○さんは早く帰る人」という認識ができるまで、頑張り続ける。
最終的には、周りの人たちが定時で帰れるように配慮してくれるようになります。
大切なのは、手を抜かずにちゃんと仕事をやる事です。
これさえ怠らなければ誰も文句は言いません。
逆に定時で帰ることに引け目を感じるのは、心のどこかで自分の仕事ぶりに自信が無いことの表れかもしれません。
残業しない決心とは、すなわち最高の仕事をする決心と言い換えられます。
是非、今日からその決心をして、したくない残業をしない生活を実現してみてください!