仙台に引っ越してきてから、初めての夏を迎えました。
毎日、行ったことの無い場所に行って新しい発見がありますし、家庭菜園では野菜がすくすくと成長して、色んな野菜を収穫しています。
そんな、快適で楽しい生活を送っているなかで、いつの間にか8月になっていました。この記事を書いている今は、夏真っ盛りで、一年で最も暑い土用の時期なのに、そんなに暑くありません。
今年は冷夏なのかなと思い、友人に例年の暑さを聞いてみたところ、むしろ今年は暑い方なんだとか…。
じゃあ、東京のあの暑さって何だったのでしょうか?いったい、なぜあんな異常な暑さなんでしょうか?
その理由を調べてみると、驚くべきことが分かりました。もしかすると東京って世界一暑い場所かもしれませんよ…。
というわけで、今回は東京が暑い理由や少しでも涼しい場所についてお伝えします。
目次
東京が暑い理由!
東京が暑いと言っても、ずっと東京に住んでる人にとっては、実感がありませんよね?
そこで、東京在住の外国人に東京の夏の暑さをどう思うか、エアコンのメーカーのDAIKINがアンケートをしたデータがあります。
⇒ 「東京の夏を検証!」東京在住の外国人100人に聞いた「東京の夏の暑さ」に関する意識調査
これによると「あなたは、東京の夏を自国と比べてどう感じますか?」との質問に対して次のような結果になったそうです。
- 耐えられないくらい暑い:25%
- 暑い:44%
- やや暑い:19%
これを全て合計すると、全体の88%の人が、自分の故郷よりも東京の方が暑いと回答しているのです!
もちろん、国籍の内訳が分からない以上、正確な事は言えませんが、東京は世界の中でも上位1割に入るほどの灼熱都市なわけです。
でも、天気予報の最高気温の数字を見ていても、東京よりも最高気温が暑い場所なんていくらでもありますよね。それもそのはずで、実は東京の暑さの理由は、最高気温の数字に表れない部分にあるのです。
その理由の大きなものが次の3つです。
- 土や植物が少ない
- アスファルトやコンクリートに覆われている
- 都市排気熱が多い
これらはヒートアイランド現象の原因なのですが、東京はこの3つが特に顕著な都市なのです。
これらがなぜ暑さにつながるのか、順番に解説しますね。
土や植物が少ない
晴れの日がずっと続いていない限り、土の地面は水分を含んでいます。
太陽の光が当たると、土の中の水分が蒸発して熱を奪うため、地面の温度が上昇しにくいのです。
また、植物も土の中の水分を吸収して、葉の裏から蒸発させています。これを蒸散と呼びます。
植物が水分を蒸散させる時も熱を奪ってくれるため、気温の上昇を抑えてくれるのです。
東京の場合、著しく都市化が進んでいるため、地面はコンクリートやアスファルトに覆われています。
コンクリートやアスファルトには温度を下げる効果は無いため、気温の上昇に歯止めがかからないのです。
アスファルトやコンクリートに覆われている
東京の地面はコンクリートやアスファルトに覆われています。また、建物も木造建築よりも、コンクリート造の建物がほとんどです。
実はこのアスファルトやコンクリートは、熱を保持する力が、土よりも大きいのです。
そのため、太陽の光を浴びて、熱を溜め込んでしまい、どんどん気温を上昇させてしまうのです。
また、厄介なことに太陽が沈んで夜になっても、昼間に溜め込んだ熱を放出するため、なかなか気温が下がりません。
そのため、東京の夏は夜になっても暑いのです。
都市排気熱が多い
東京はたくさんの建物が乱立しています。これらの建物は夏になるとエアコンを使います。エアコンの熱交換機からの排気熱は、更に気温を上昇させます。
そうなると、更にエアコンを使うことになり、また排気熱が増えるという悪循環になります。
あるテレビ番組で、真の日本一暑い場所を探すという企画があり、様々な場所の気温を測定したところ、最も暑かった場所は新宿区にある新宿御苑付近の場所で、気温は40℃を超えていました。
気温を測定した場所は、建物が密集した場所にある路地で、エアコンの排気熱が渦巻いてるような場所だったそうです。
また、東京は交通量も非常に多い場所です。車のエンジンからは大量の夏が放出されるため、これも気温上昇の原因になります。
というわけで、ここまでは東京が暑くなる理由を見てきました。
いくら暑いと言っても、東京で生活しているのであれば、どうしようもありませんよね。では、東京の中で少しでも涼しい場所はどんな場所なんでしょうか?
今度は少しでも涼しい場所の特徴を紹介します。
少しでも涼しい場所は?
涼しい場所はどこなのかと言えば、答えは簡単です。
ヒートアイランド現象の原因になる要素が無い場所が涼しい場所なのです。
具体的には次のような場所です。
- 公園などのそば
- 風通しの良い場所
- 川や運河のそば
都市化が進んだ東京では、このような場所は少ないかもしれませんが、やはりこのような場所は涼しさを実感できます
それぞれの理由を説明しますね。
公園などのそば
土や緑のある場所は、気温が上昇しにくくなります。
そのため、公園のそばは気温が低くなりやすいのです。
実は、気象庁は2014年に東京の気温を測定する場所を変えました。
以前は建物が密集している大手町でしたが、現在は周辺に土や緑が多い、北の丸公園になっています。
実はこの2カ所の平均気温は約1℃も違うため、平年の気温などと比較する際は、補正して伝えているそうです。
このことからも土や緑のある場所が涼しいことが分かります。
風通しの良い場所
建物が密集して風通しが悪い場所も、気温が高くなりやすい場所です。
東京の夏の猛暑対策のために、各地の平均気温を測定したところ、都心のど真ん中の場所にもかかわらず、周辺よりも少し気温が低い場所がありました。
それが有楽町のマリオン前の広場です。実はマリオン前広場は、目の前を「晴海通り」という、真っ直ぐ海まで続く大きな道路が通っています。
この晴海通りを海からの涼しい風が通過することで、周辺の気温を下げているのです。
川や運河のそば
川や運河のそばも比較的涼しい場所です。
水は太陽の光を反射するため、比較的気温が上がりにくいのです。
また、川や運河の上には、当然建物は建っていません。
そのため、風の通り道になるため、更に気温が下がりやすくなります。
東京の中の涼しいエリア
では、このような特徴を満たした場所は東京のどのエリアになるのでしょうか?
これらの特徴をまとめると、東京の中でも比較的涼しい場所は、湾岸エリアになります。
湾岸エリアは海からの涼しい風が入りやすく、公園などの緑地も多いです。運河なども多いため、涼しい場所の特徴を全て持っている地域と言えます。
実は私も東京に住んでいた時は、江東区の湾岸エリアに住んでいました。運河を風が通り抜けていくため、比較的涼しかったです。
どうしても、東京から離れられないという方は、湾岸エリアをおすすめします!
まとめ
今や東京の暑さは尋常ではありません。
街を歩いている時の実際の体感温度は、天気予報の最高気温よりもはるかに暑いと言われています。
そんな東京が暑い理由を振り返ってみましょう。
- 土や植物が少ない
- アスファルトやコンクリートに覆われている
- 都市排気熱が多い
土や植物は水分を蒸発させて気温上昇を抑えてくれるが、それが少ない東京は気温が上昇しやすい。
アスファルトやコンクリートは熱を溜め込むため、気温が上昇しやすく、夜になっても下がりにくい。
密集した建物のエアコンの排気熱や、車が排出する熱により、気温が上昇しやすい。
人口が密集している東京では、気温が上昇してしまうのは避けられないことです。どんなに涼しい場所を探したとしても、東京の中では限界があります。
一方で私が引っ越した仙台は、熱帯夜というものがほとんどありません。
私の妻は窓を開けておくと寒いと言って、日当たりの良い部屋で窓を閉め切って寝ているくらいです…。
夏の暑さが耐えられない方は、東北地方に移住することを考えてみてはいかがでしょうか…?