目的と目標と手段の違いは何か?と聞かれたらどう答えますか?言葉としての意味の違いであれば、国語辞典でも引けばすぐに分かりますよね?
でも、自分の人生に当てはめて考えると、分からなくなってしまうことが多いのです。
私は今でこそフリーランスとして働いて生活していますが、昔は会社勤めのサラリーマンでした。
競争の激しい業界で、毎日、目の前の仕事をこなすことだけに必死でした。その頃は、大変でも毎日忍耐して頑張っていれば幸せな生活を送れると信じていたのです。
しかし、忙しく働いているうちに、気付いたら自分が何のために頑張っているのか分からなくなってしまいました。”忙”しいという字は心を亡くすと書くと言いますが、本当にその通りです。
今の自分が本当にやりたい事は何なのか、落ち着いて考えた結果、会社を辞めることにしたのです。
皆さんもふとした時に、自分が何のために頑張っているのか分からなくなる時はないでしょうか?それはもしかすると、目的と目標と手段の区別がついていないからかもしれません。
そこで、ここでは目的と目標と手段の違いについてお伝えします。
目次
目的と目標と手段の意味
目的と目標と手段という言葉の意味は何ですか?と聞かれて答えられない人はいないと思います。
しかし、実際の生活ではこの区別がつかずに、忙しくて大変な人生に忙殺されてしまうのです。
毎日、必死に生きているといつの間にか、自分が望んでいるゴールから遠く離れていることはよく起きるものです。そうならないために大切なのが、目的と目標と手段をハッキリと区別することです。
次から順番に解説していきます!
目的
目的とは今やっていることが何のためにやっているのか?その理由のことです。
例えば「朝起きて電車で会社に行く」のは、会社で仕事をするためですよね!この”会社で仕事をする“ことが目的になるわけです。
目的は自分が最終的に目指しているゴールと言い換えると分かりやすいです。
目標
目標とは目的を果たすために、達成すべき事です。
例えば同じように「朝起きて電車で会社に行く」場合、会社で仕事をする目的を果たすために、”会社に行くこと“が目標になるわけです。
目標は目指すゴールに到達するための通過点と考えると良いでしょう。
手段
手段とは目標を達成するために必要なことです。
「朝起きて電車で会社に行く」場合、会社に行くという目標を達成するために、”電車に乗る“ことが手段になるわけです。
手段はゴールに到達するために必要な物や道具と考えると分かりやすいです。
具体例
例えば次の3つはそれぞれどれが目的、目標、手段でしょうか?
- 会社の事業計画
- 会社の経営理念
- 今年度の出店計画
答えは2が目的で、1が目標、3が手段ですね。
では、この場合はどうでしょう?
- 英語を勉強する
- ハワイに永住する
- グリーンカードを取得する
この場合は2が目的で、3が目標、1が手段ですね。
こうして例をあげてみると分かるかもしれませんが、手段や目標は必ずしも1つだけではありません。目的というゴールに向かう道はいくつもあるわけです。
というわけで、ここまでは目的と目標と手段の意味を見てきました。
それぞれの意味の違いには、特に難しいことなんてないと思います。それにもかかわらず、なぜ人は自分の目的や目標を見失ってしまうのでしょうか?
今度は3つを間違えやすい理由について見ていきましょう!
3つを間違えやすい理由
よく毎日頑張って仕事していたのに、ある日ふと何のために頑張っていたのか分からなくなることがあります。
こうなってしまう理由は目的と目標と手段が区別できなくなっていることが原因です。
既にお気づきかもしれませんが、実は目的は、次の目的を果たすための目標になったり、目標に到達することが、次の目標に到達するための手段になったりします。
例えば「朝起きて電車で会社に行く」場合、会社で仕事をすることは、実は給料を貰うという目的のためです。そして、給料を貰うためには、仕事で成果を上げる必要があります。
そうすると、実は仕事で成果を上げることが目標になり、会社で仕事をすることは手段になるのです!更に給料を貰うことも、貰ったお金を何かに使う目的があるはずなので、給料を貰う事も目標や手段になってしまうのです。
目的と目標と手段を区別できなくなる理由というのは、実は既に目的は達成されているのに、それに気付かず次の目的が無いまま過ごしてしまうことなのです!
実はこれは現代の日本社会では、とても起きやすいのです!子供のうちはまず良い大学に入学することを目指します。その方が就職できる仕事の選択肢が多いからです。だから最初は良い会社に入るという目的のために、良い大学に入ることを目標にして頑張ります。そのための手段は勉強して良い成績を取ることです。
しかし、人生は良い会社に入ったら終わりではありませんよね?その会社に入った目的は何なのでしょうか?その目的を果たすためには、何を目標にすれば良いのでしょうか?
実はそれまでの目的の会社に就職できた時点で、既にその会社は手段になってしまっています。次に成し遂げるべき目的が無ければ、すぐに自分を見失ってしまいます。
実際に今の若者は新卒で就職した人のうち、31.9%は3年以内に辞めてしまうそうです。目的を見失ってしまうと、頑張る理由が無くなってしまいます。今の時代はめまぐるしく移り変わっていきます。常に自分を生き生きさせているためには、今何を目的にして生きているのかが明確になってるのが、とても大切です!
では、常に目的を明確にするには、どうすれば良いのでしょうか?
そこで、次は目的と目標と手段を明確にして、人生をスムーズに進める方法を見ていきましょう。
明確な目的を持つ方法!
長い人生で目的と目標と手段の区別がつかなくなることはよくあることです。
しかし、それはある意味当然のことです。既に説明した通り、目的は、次の目的のための目標や手段でもあるためです。実は3つを区別して考えない方が、人生をスムーズにステップアップしていくことができるのです!
具体的には次のようにして、自分の人生の方向性を明確にしておくことが重要です!
- 自分の人生の最終ゴールを決める
- そのために達成しなければいけない事を順番に考える
- 最終ゴールと達成しなければいけない事を定期的に見直す
人生の最終ゴールというと大げさで、若いうちから具体的に考えるのは、難しいかもしれません。その場合でも、なるべく遠い将来のことをゴールにするようにしましょう。
次にその最終ゴールに到達するために達成しなければいけない事を順番に考えていきます。これらは当面の目的でもあり、最終ゴールに到達するための目標でもあるわけです。
時間が経つにつれて、自分の気持ちも変わっていきますし、周りの状況も変わっていきます。そのため、これらを定期的に見直す時間を作って、方向性が違っていたら修正しましょう。
現代の生活は忙しいので、自分が何を目指していたのか、すぐに分からなくなってしまいます。自分の中で目指す方向性が明確になっていることは、とても大切なのです!
例えば私はサラリーマンを辞める時に、最終ゴールとそのために達成すべきことを次のように決めました。
- マイペースでできる仕事を副業で始める
- 副業の方だけで生活できるようになったら脱サラする
- 地方に引っ越すため準備をする
- 地方に引っ越して、米や野菜を作るための準備をする
最終的に米や野菜を自分で作る生活をすることが目的ですが、どこまで達成したかによって、その時の目的や目標、手段になります。
私の場合だと最初は脱サラするための手段が副業です。そして、脱サラできれば、それでできた時間が手段、そして、次の目標は地方に引っ越す準備を整えること、その目的は地方に移住して、自給自足することなわけです。
多くの人は次の目的や目標が存在しないため、ふとした時に自分を見失ってしまいます。言われてみれば、当たり前の事なのに、忙しい日々の中で、これを後回しにしてしまいがちなのです。
常に次の目標が存在しているように、具体的なマイルストーンを設定しておくことが、人生をステップアップしていくためのコツなのです。
ただし、私も常に目的は変化します。精一杯頑張っていれば、様々なインプットがあります。それによって、新しいことに挑戦したくなるのは、自然な事です。
大切なのは、常に何を目的にして過ごしているのかを明確にしておくことなのです!
まとめ
目的と目標と手段の違いが分からない人はいないと思います。
しかし、それを自分の人生に当てはめた途端に、違いが分からなくなってしまうのです!
人生でこの3つを見失わないためには、敢えてこれらを区別しないことがポイントです。
そのためには定期的に、次のことを実行して自分の方向性を見失わないようにしてください!
- 自分の人生の最終ゴールを決める
- そのために達成しなければいけない事を順番に考える
- 最終ゴールと達成しなければいけない事を定期的に見直す
現代の日本は色んな選択肢があります。やりたいと思えることはたくさんあることは、とても恵まれたことですが、逆に選択肢がたくさんあり過ぎることは目的や目標を見失う原因にもなります。
常に自分のゴールを明確にしておくことは難しいことかもしれませんが、豊かな人生を送るためには、自分が進むべき方向性を見失わないことが、とても重要なので、是非、今回お伝えしたことを実践してみてくださいね!