人間は誰だって、成長したいとか、変わりたいとか、魅力的になりたいと考えますよね?
私の場合は、年齢と共に増えてきた贅肉を落としたいと思っています。でも、食べるのが大好きな私にとって、美味しい食べ物は非常に大きな誘惑です。人の体が、必要な分だけ食べれば満足できるようにできていれば、こんな苦労もないのにと思ってしまうのは、私だけじゃないですよね?
皆さんも変わりたいと思った時に、「面倒だな」という心や「自分にできるんだろうか?」といった不安、誘惑に負けてしまう気持ちなどが原因で、諦めてしまった経験があるかもしれませんね。
でも、これらには全て共通の原因があるんです。それがライフトラップというものです。
ライフトラップこそが人を諦めさせる最大の原因なのです。
私の人生で達成した、大きなことの一つにサラリーマンを辞めて独立したことがあります。これも振り返ってみると、このライフトラップを乗り越えた結果でした。
もし皆さんが「何をやっても長続きしない…」と悩んでいるとしたら、それはライフトラップが原因かもしれませんよ。
というわけで、今回は最後まで諦めない心を持つための方法をお伝えします。
目次
人を諦めさせる最大の理由
人にはそれぞれ様々な達成したいことがあると思います。
ダイエットの成功や恋愛の成就、仕事で成果を出すことなんかは、多くの人が、持っている目標だと思います。
多くの人はこういった目標を達成しようとした時に、目標を宣言したり、心が奮い立つ本や名言を読んだりします。あえて大金を使って自分を追い込むなんて人もいるかもしれません。
これらは全て、意志を強くしたリ、モチベーションを上げるために行うものです。
しかし、実は人を諦めさせる最大の理由は、意志の弱さではありません。
「今の方がまだマシだな…」という無意識の考えが、変わることを妨げるのです。
例えば、ダイエットの場合を例にしてみます。
普通、ダイエットをする目的は、”魅力的な外見”や”健康になる”ことが多いと思います。
でも、ダイエットのためには、食事を制限して、運動もしなければいけません。そうなると、当然、我慢や努力などのある種の苦痛が伴うことになります。
そうなると、その苦痛を感じるくらいなら、今の方がマシだと、無意識のうちに感じてしまい、諦めてしまうのです。
しかし、こんなことを偉そうに言われても「そんなの当たり前じゃん!」て思うかもしれません。ある程度の苦痛が伴うことなんて、誰でも分かってますよね?
大切なポイントは「なぜ、こうも簡単に苦痛に負けて、今のままで満足してしまうのか?」なのです。そして、それこそがライフトラップの正体なのです。
そこで、次は人がライフトラップに囚われてしまう理由を説明します。
ライフトラップに囚われてしまう原因
そもそも、目標を決めて、それを達成するために努力するのは、現状よりもその方が大きな利益があるからです。
それにもかかわらず、諦めてしまうなんて、よくよく考えると全く不合理なことのはずです。
そんな不合理な選択をしてしまう原因が、ライフトラップなのです。
そして、そのライフトラップの正体は、次の3つのような人間の性質です。
- 利益よりも苦痛を重視する
- 不確実な未来よりも確実な現在を優先する
- 人間は良くも悪くも適応できる
諦めない心を持つための第一歩は、この人間の性質をよく理解し、それに向き合って対処することです。
そこで、それぞれの性質を順番に解説していきますね。
利益よりも苦痛を重視する
ライフトラップの正体の1つ目は、人間の苦痛を恐れる性質です。
人間はそれによって得られる利益よりも、それを得るまでにもたらされる苦痛の方を重視する傾向があります。
例えば虫歯があるのに、なかなか歯医者に行かない人って、よくいますよね?これは虫歯が治るというメリットよりも、虫歯治療の痛みや、治療にかかる費用や時間の方が嫌だからです。
また、サプリメントを飲むのは、健康になることが目的ですが、面倒になると飲むのを止めてしまいます。これも”面倒くさい“という苦痛が勝ってしまっているからです。
こんなのは、ほんの一例です。実は人間は何らかの選択をするときは、常に利益と苦痛を天秤にかけています。
例えば買い物をする時などは、常にそうです。
よく効くダイエットサプリがあったとします。そのサプリを買うのには、お金を使わなければいけません。毎日飲むのも面倒です。
ただ飲むだけでダイエットできるはずなのに、このような苦痛の方が嫌なので、多くの人は買わないという選択をするのです。
“損して得取れ”なんて言葉がありますが、人間にとってこれはなかなか難しいことなのです。
不確実な未来よりも確実な現在を優先する
2つ目は、人間は不確実性を嫌うということです。
人間はどんなに大きな利益でも、それが不確実なものだと、それよりも小さくて確実な利益の方を優先させやすいのです。
例えば、ダイエットなんかも、本当に効果が出るかどうか分かりません。また、ダイエットに成功しても、どれくらい健康になって、どれくらい魅力的になるのかも不確かです。
また、ダイエットサプリの購入にしても、同じです。そのサプリを飲んでも、本当に効果が出るかどうかは分かりません。効果があったとしても、時間がかかるため、すぐに実感できないという不確かさもあります。
その一方で、食べ物を買うような場合は、”美味しい”とか”お腹がいっぱい”といった満足感をすぐに得られるため、確実姓が非常に高いのです。そのため、確実性が高い場合は、比較的行動しやすくなるのです。
皆さんも「成功している将来の自分を見れたら、やる気が出るのに…」なんて、考えた経験があるかもしれません。これはこの確実性を求めているからなのです。
人間は良くも悪くも適応できる
ライフトラップの正体の3つ目は、人間の適応能力です。実はこれが最も厄介なのです。
人間には、環境に適応することや、物事を何度も経験することで、それに上手に対処できるようになる能力が備わっています。
これが時として、行動や変化を無意識のうちに妨げる大きな要因になります。
例えばダイエットの目的は”魅力的な外見”や”健康になる”ことなので、それを決心するには、何か理由があるはずです。
それは、自分の容姿のせいで、自信が持てなかったり、何か傷ついた経験かもしれません。健康診断の結果が悪かったとか、疲れやすかったり、膝や腰が痛いなんてことかもしれません。
しかし、長年そういった状態でいると、人間はそれに適応できてしまうのです。
例えば、体形が目立たない服装をしたり、太った外見であることを逆手にとって、自虐ネタで笑いを取ったりとかです。健康面では、激しい運動を避けたり、膝や腰の痛みを和らげるための、医薬品やマッサージなどです。
このようなことは、根本的な解決にはなってませんが、”魅力的でない外見”や”健康面の問題”を致命的でないレベルまで和らげることはできています。
どうしようもなく致命的ではないので「そんな大変なことするくらいなら、今のままで良いか…」となってしまうのです。
この”それなりに上手くやれてる状態”を、別名”コンフォートゾーン“(comfort zone)なんて呼びます。comfortは”快適”という意味ですが、実際は本当に快適なわけではありません。
本当は不満だらけなのに、それを自分でごまかした状態なのです。
ライフトラップから抜け出すためには、このコンフォートゾーンこそが、一番厄介だと理解する必要があるのです。
というわけで、ここまではライフトラップの正体を見てきました。
こうしてみてみると、日常の多くのことで、ライフトラップに囚われていることが分かるはずです。
では、次はこのライフトラップから抜け出すための方法を、見ていきましょう。
ライフトラップから抜け出す方法
ライフトラップの正体は、”苦痛“、”不確実性“、”コンフォートゾーン“です。
これに上手に対処することが、ライフトラップを抜け出すカギになります。
そのためには、次の3つのステップを踏むと良いのです。
- 自分のライフトラップを自覚する
- 目先の利益と行動しないことの苦痛を意識する
- 苦痛は小さくなり確実性は増していく
大切なのは、自分自身のライフトラップを把握し、自分自身を上手にコントロールすることです。
それでは順番に見ていきましょう。
自分のライフトラップを自覚する
まず、最初に重要なのが、自分のライフトラップのことを具体的に把握することです。
例えば私はサラリーマンを辞めて独立するにあたり、次のようなライフトラップがありました。
- サラリーマンはストレスが多いけど、安定した給料が貰える。独立すると収入が不安定になる。
- サラリーマン以外の働き方で、収入が得られる自信が無い
- そもそも楽な仕事なんて存在しない。今の仕事が一番自分に合っている
⇒独立して収入が不安定になる不安という”苦痛”が大きい。
⇒自分がしっかりと生活していく能力があるかどうかに”不確実性”を感じている。
⇒ストレスがあったとしても、今の仕事が一番の”コンフォートゾーン”になっている。
これは私の「サラリーマンを辞めて独立する」という目標に対するライフトラップです。
どのような目標であっても、必ずライフトラップが存在します。それをこの例のように“苦痛”、”不確実性”、”コンフォートゾーン”の3つの要素に分けて書き出してみてください。
これができたら次のステップに進みます。
目先の利益と行動しないことの苦痛を意識する
人間は確実性の高さと、苦痛を優先させる傾向があります。そこで、これを逆に利用するのです。
例えば私が独立を目指す時には、次のような”目先の利益”と”諦めた時の苦痛”を設定しました。
【目先の利益】
- 最終ゴールまでに、細かいマイルストーンを設定する
- 目標を達成したら、自分にご褒美をあげる
- 目標を達成したら、周りに公表して褒めてもらう
マイルストーンに到達するたびに達成感を感じられるようにする。
お酒を飲むとか、ご褒美を自分に買ってあげたりする。
周りから褒めてもらうことの嬉しさだけでなく、モチベーションアップにもつながる。
【行動しないことの苦痛】
- 毎日やる作業を決めてしまう
- 行動しなかった時に軽い罰を自分に与える
自分で決めたことが達成できなかったという、ちょっとした不快感を感じられるようにする。
自分へのご褒美をお預けにしたり、別の日の作業量を増やすことを自分に課す。
このように自分を上手にコントロールできるような、”目先の利益”と”行動しないことの苦痛”を作ってみてください。
注意点としては、行動しないことの苦痛は、軽いものにすることです。重すぎるものにすると、その苦痛が嫌になって、逆に行動を止めてしまう原因になります。
良い”行動しないことの苦痛”が思いつかなければ、”目先の利益”だけでも十分効果があるので、無理しないでください。
苦痛は小さくなり確実性は増していく
人間には適応力があります。これはライフトラップの原因にもなりますが、ライフトラップを抜け出るのにも大きく役立ちます。
目標達成のために行動を起こすと、苦痛が起きますが、経験を積んでいけば、その苦痛は小さくなります。
そして、経験を積んで色んな事ができるようになれば、確実性は増していきます。
こうして新しいことに適応していけば、これが新たなコンフォートゾーンになります。この新たなコンフォートゾーンは、それまでのような中途半端な妥協のコンフォートゾーンとは違う、本物のコンフォートゾーンです。
このことを確信し、新しいコンフォートゾーンを作り上げるために全力で一気に行動し続けるのです。
私の場合は、サラリーマンを辞めるために、ブログ運営を始めたのですが、最初は分からないことだらけで、作業にも無駄が多く、大変でした。
更に収入だってほぼゼロなので、これで生活できるほどの収入を得ることなど、信じられませんでした。
しかし、一度経験したことは、次からは簡単にできるようになります。収入も少しずつ増えていきます。
何よりもブログ運営に慣れていけば、それが当たり前の生活になってしまい、それが自然に新しいコンフォートゾーンになりました。
時間が経てば”苦痛”も”不確実性”も小さくなり、新たな”コンフォートゾーン”が作られていきます。
一番大切なのは、ただ”続けること“だけです。そうすれば、確実にライフトラップを抜け出せます。
自分は成長して適応できる存在だと信じてください。
まとめ
長続きしないとか、すぐに諦めてしまうというのは、誰にでもある事だと思います。
でも、それは意志が弱いからというよりも、人間であれば誰でも避けられない宿命なのです。
その宿命こそが、今回紹介したライフトラップです。
もう一度ライフトラップの正体と、そこから抜け出すための方法を簡単にまとめておきますね。
- 利益よりも苦痛を重視する
- 不確実な未来よりも確実な現在を優先する
- 人間は良くも悪くも適応できる
人間は利益よりも、苦痛の方を重視してしまう。
人間は将来得られるかもしれない不確実な利益よりも、確実に得られる目先の利益を優先させてしまう。
現状が不満足であっても、それなりに適応できてしまっているので、新しい不慣れなことに挑戦できない。
【ライフトラップから抜け出す方法】
- 自分のライフトラップを自覚する
- 目先の利益と行動しないことの苦痛を意識する
- 苦痛は小さくなり確実性は増していく
自分にとっての”苦痛”、”不確実性”、”コンフォートゾーン”を明確にする。
目先の利益と苦痛を優先させることを逆に利用して、”目先の利益”と”行動しないことの苦痛”を設定する。
行動を続けることで、苦痛が小さくなること、目標が確実になっていくことを信じて、実感する。
いつも三日坊主で終わってしまうのが悩みなんて人は、多いかもしれません。
でも、誰にでも必ずライフトラップはあるものです。だから、落ち込む必要なんてありません。
自分のライフトラップを知り、上手にそれを利用することで、必ず目標は達成できます。
皆さんも自分を信じて、目標に向かって突き進んでくださいね!