あるニュースで、世界の国々の労働者が同じ時間働いて生み出す経済的価値、すなわち労働生産性の比較結果をやっていました。
日本は世界で20位でしたが、主要な先進国だけに絞ると、なんと最下位だったそうです!
その原因は、やはり無駄な残業時間にあります。マイナビニュースの残業に関するアンケートで、残業の理由を複数回答で答えてもらったところ第1位は「業務量が多い」ことでしたが、それ以外の理由では「会社の風土」や「業務フローの未整備」、「管理職のマネジメント不足」など、本来やる必要のない残業の理由を上げた人が、全体の7割もいたそうです!
⇒ 残業の7割は無駄という実態が明らかに!仕事の生産性を高める工夫とは
つまり、このアンケート結果に基づくと、日本人がやっている残業の7割が無駄だということになります。
そんな無駄な残業は絶対にしたくないですよね?しかしながら、自分のわがままばかり押し通すのも気が引けます。更に自分の評価が下がるのも避けたいところです。
では、周りにも迷惑をかけず、自分の評価も下げずに、残業時間を減らすにはどうすれば良いのでしょうか?
私は過去8年間、某大手携帯電話会社のシステム開発部門に勤務していました。その間、システムトラブルなど、どうしようもない仕事が続いた時の3ヶ月だけ残業が30時間を超えましたが、それ以外は全て20時間以下でした。
ご存知の通り、日本の携帯電話市場は既に飽和状態です。大手携帯キャリアは互いのシェアを奪い合う、勝者の無い熾烈な競争を続けています。
そんな競争の激しい業界のITエンジニアだったにもかかわらず、ほとんど残業せず、仕事を続けることができました。実はそれには理由があります。
残業を減らすためには、仕事のやり方を工夫することも大事ですが、実は自分自身の考え方を変えることもとても重要なのです!
そこで、ここでは大手携帯電話会社のIT部門で、8年間ほとんど残業しないで済んだ方法をお伝えします。
目次
残業しない方法
残業しないために重要なのは、仕事を効率的に片付けることと、自分自信の考え方を変えることです。
まずここでは仕事を効率化する方法お伝えしていきます!
そのためには次の3つがポイントになります。
- その日やる仕事を決めておく
- 重要でない事にはNoと言う!
- 自分は残業しない人だと理解してもらう
実際にやろうとすると、どれも難しいものです。繰り返し繰り返しやり続けて徐々に慣れていく必要があります。
具体的な内容を説明していきますね!
その日やる仕事を決めておく
仕事の効率化の基本中の基本ですが、非常に大切なことです。
自分の仕事の全体スケジュールを作成し、そこから今日やらなければいけない仕事を明確にしておくのです!
その日にやらなければいけない仕事が終わったらあとはサッサと帰るだけです!
ちなみにその日やることを明確にしておくことは、ストレスの軽減にも大きな効果があります。いったい何をやれば仕事が終わるのか分からない中で、目の前の仕事をやるのはとても不安でストレスです。しかし、何をすれば仕事が完了するのか分かっていると、とても気が楽なのです!
仕事効率化の基本中の基本なので、是非やってみてください。
重要でない事にはNoと言う!
日本人が最も苦手としている事ではないでしょうか?
自分でスケジュールを立てたとしても、必ずしもその通りに進むとは限りません。日々の仕事の中では緊急事態や、突然の仕事を振られることもあると思います。
その時に、重要でない仕事、自分じゃなくてもできる仕事にはNoと言うようにしましょう!
とは言え、ただNoと言うのは難しいですよね?私の場合、Noと言えるように次の3つを心がけていました。
- 理由を説明できるようにしておく
- とにかく低姿勢で断る
- 条件付きのNoにする
ただ断っても相手は納得するわけがないので、ちゃんと理由を説明できるようにしておくことです。やはり大切なのはスケジュールを作っておくことです。そうすることで、自分の状況を説明できるようにしておきましょう。
断る時は、「本当に申し訳ないんだけど、今は引き受けられないんです」といった感じで、謙虚に低姿勢で断るようにします。相手に不快感を与えないことが大切です。
「もし、他の人でもどうしようもないなら、また相談してください」というように、絶対的なNoにしないことです。実際にこうすると再び自分の所に戻ってくることは少ないものです。
なかなか難しいことですが、大事なのは普段からベストを尽くして仕事をしていることです!
常にベストを尽くして仕事をしていることを自他ともに認めていれば、Noというのはそれほど難しくないものですよ!
ちなみに私はこの本を読んで、重要でないことにNoと言うことを学んで役に立ったので、良ければ読んでみてください!
↓
自分は残業しない人だと理解してもらう
残業をしないためには、周りの理解も大切です。”この人は残業しない人なんだ”と同僚に認識してもらえれば、定時を過ぎて仕事を振られることも減ります。
理解してもらうと言っても、わざわざ職場で宣言する必要はありません。
常に仕事をキッチリやって、定時で帰ることを繰り返していれば、自然に周りが理解してくれるようになります。
頑張って、残業しない仕事のスタイルを貫いて見てください。
さて、ここまでは効率的に仕事を片付ける方法を見てきました。
しかし、これと同じくらい重要なのが、残業に対する考え方を変えることです。最終的に「定時で帰る!」という決断をするのは自分自身です。
周りの目を気にしたり、早く帰ることが周りに迷惑をかけることだと考えていては、意味がありません。効率的に仕事ができるようになった文、余計に自分の仕事量を増やしかねません。
そこで、今度は残業に対する考え方を変える方法を見ていきましょう。
自分の意識を変える!
残業しない方法はいくらでもあります。それなのに、実際に思い通りの時間で帰れる人が少ない理由は自分自身の意識の中にあります。
残業しないためには次の5つの意識を持つことがポイントです!
- 早く帰るのはわがままではない
- 自分で思うほど同僚は迷惑に思わない
- 仕事に支配されず、仕事を支配する!
- 本当にやりたいことのために帰る!
- 残業しないとみんなに利益がある
このような意識が持てなければ、早く帰ることはできないものです!
内容を順番に説明していきますね!
早く帰るのはわがままではない
日本人が持ちやすい代表的な考え方が「自分だけ早く帰るのはわがまま」という考えです。こういう考えを持っている人は、何がわがままと言うのかを誤解しています。
会社というのは、チームで仕事をしているため、全体の事を考えずに、好き勝手に行動したり、自分だけ仕事をしないなんて、もちろんわがままですし、許されることではありません。
でも、自分の仕事をキッチリやり遂げて、定時に帰ることは何のわがままではありませんよね。基本的にチームの中で決められた仕事をちゃんとやることが自分の責任なのですから、それを果たしていればわがままではないのです。
しかし、それでもお付き合いで残業しなければいけない時もあります。私の場合は付き合うかどうかは次の基準で判断していました。
- その人がやむを得ない理由で仕事が終わっていない場合 ⇒ 付き合う
- その人の自業自得の理由で仕事が終わってない場合 ⇒ 付き合わない
仕事の分担量が適正じゃなかった、緊急でその人に仕事が集中したなど
不真面目に仕事をしている、ダラダラやっていてそもそも定時内に終わらすつもりが無い
こうしてみると、実は残業している人のほとんどは、最初から残業時間も計算に入れてダラダラ仕事している人がほとんどなのです!
本当に困っている人を助けないのは、わがままですが、ダラダラやっている人に付き合うのはやめましょう。
自分で思うほど同僚は迷惑に思わない
「自分だけ仕事しないと同僚は迷惑するかな」と思うかもしれませんが、実際には迷惑に思われることはありません。
残業している人のほとんどは、残業時間も計算に入れて、仕事のペースを組み立てています。他の人が早く帰ったとしても、迷惑になど感じないのです。
ポイントはとにかく自分に与えられた仕事はキッチリと片付けることです。その上で早く帰るなら誰も迷惑には感じないものです。
仕事に支配されず、仕事を支配する!
日本人はとても仕事を重んじる民族です。家族や友人との予定よりも仕事を優先させる人って多いですよね!
でも、仕事はそもそも自分の人生を豊かにする手段です。ほとんどの人は仕事を頑張ることが人生の目的ではなく、豊かで幸せな人生を過ごすことが目的ですよね?
もし、今、残業が多いことでストレスや不満を感じているのなら、既に仕事が自分を支配し始めているかもしれません。
自分の人生を豊かにするためには、仕事を自分の支配下に置くことが重要です。そのためには残業時間も自分でコントロールすると強く決心してください!
本当にやりたいことのために帰る!
ダラダラと残業してしまう原因で多いのが、帰ってもやることが無いことです。
やることがなければ、無理して早く帰る必要が無いのだから当然です。
面白いブログ記事があります。ある管理職の方の部下が全員ワーキングマザーになったら、自分の残業時間が減ったというのです。
⇒ 部下が全員働くママになったら、私の残業時間が減ったという話
ワーキングマザーは子育てという「最優先でやりたい事」があります。彼女たちには余計な残業をする余裕は無いため、あらゆる方法を使って、残業せずに仕事を片付けるようにします。
その結果、チーム全体の業務効率が上がって、自分の残業時間も減ったというのです。
人間はどうしてもやりたい事があれば、必死になって仕事を片付けて、残業せずに家に帰るものです。
私が残業せずに帰ったのには、実は大きな理由が2つあります!
- 生まれつきの心臓の持病があるから
- サラリーマンを辞めるために副業をしていたから
私の場合は生まれつきの心臓の病気があるため、残業をしないというよりも残業ができません。
そして、その持病のために、一生サラリーマンを続けるのは無理だと考えていました。そのため、いつかサラリーマンを辞めて、マイペースな生活ができるように、副業をやっていたのです。
そんな私は副業をする時間を捻出するために、必死で仕事を片付けて、定時で帰宅して副業を頑張っていました。
私の場合は副業でしたが、家族のためや、自分の夢のためなどなんでも構いません!
残業をしないためには、残業以上に大切な物事を作るというのも重要なのです。
残業しないとみんなに利益がある
ダラダラと残業してしまう理由には、残業することがチーム全体のためになると勘違いしていることもあります。
しかし、よく考えてください。業務改善を進めて、仕事を効率化して、残業時間を減らすことはコストカットにつながります。
同僚たちも効率的に仕事ができるようになれば喜ぶはずです。余裕ができた分は、早く帰っても良いですし、他の仕事をやる時間にしても良いのです。
いったい誰が損するのでしょうか?
自分がキッチリと仕事を片付けることは、チーム全体のためになると自信を持つようにしてください!
というわけで、ここまでは残業をしないための、仕事の効率化の方法と、残業に対する考え方の変え方をお伝えしました。
それでも、まだ周りへの迷惑が気になる人がいるかもしれませんね。どちらにしても同僚に迷惑をかけないことは、とても重要です。
そこで、次は周りに迷惑をかけないためのポイントを見ていきましょう。
周りに迷惑をかけないポイント
いくら仕事をキッチリ片付けたとしても、突発的な自体が起きて、同僚たちが困ることだってあります。
そうじゃなくても、同僚たちが仕事をしている中で、何か質問したいことが出てくるかもしれません。
そこで、周りに迷惑をかけないために次の2つを心がけましょう!
- 自分に連絡が取れるようにしておく
- 自分が担当している仕事内容や進捗状況を分かるようにしておく
同僚たちが自分に聞きたいことがある時に、連絡が取れるように電話やメールなどの連絡手段を用意しておく。
自分がいない時でも、同僚たちが自分の仕事内容を分けるようにしておいて、自分がいなくても仕事が止まらないようにする。
同僚たちが一番迷惑するのは、あなたがいないことで、仕事が止まってしまう時です。そんなことにならなように常日頃から準備しておくようにしましょう。
ただし、連絡が取れるようにしておくことで、常に電話がかかってきて迷惑な場合などは、電話しても問題ない時間を伝えておきましょう。
さて、ここまでやっておけば、無駄な残業をする必要など無いはずです。
それでも、どうしても残業時間が減らない場合、それはもはやあなたの責任ではなく、所属するチームや会社の責任かもしれません。
最後にそのような職場の見極め方をお伝えします
それでも効果が無い場合…
仕事はチームで行うものです。基本的には自分の意識と仕事のやり方を変えれば、効果があるはずです。
しかし、職場に問題がある場合は、難しい場合があります。
そんな問題のある職場はこのような特徴があります。
- そもそも人手が足りてない
- 薄利多売のビジネスモデルなので、仕事量が多い
- 24時間営業などの無理があるビジネスモデル
最近の小売業や飲食業では、特にこのような職場が増えています。
このような職場の場合、残念ながら自分の努力だけではどうしようもありません。本当に精神的に豊かな生活を送りたいのであれば、転職も考えた方が良いかもしれません。
まとめ
仕事が大好きだ!なんて人以外は、みんな残業なんてしない方が良いと考えているでしょう。
でも、実際には日本の長時間労働はなかなか改善しません。その理由は私たちの意識にあります。仕事に対する意識が変わらなければ、いくら方法を知っても効果がありません。
そのために大切な5つの意識をもう一度おさらいしておきます。
- 早く帰るのはわがままではない
- 自分で思うほど同僚は迷惑に思わない
- 仕事に支配されず、仕事を支配する!
- 本当にやりたいことのために帰る!
- 残業しないとみんなに利益がある
仕事は自分の人生を豊かにするためにあるものです。そのことを念頭に置いて、無駄な残業をしないようにしてください。
残業時間を減らすには、強い意志が必要ですが、慣れて習慣になってしまえば、実際は大したことないですよ。
皆さんが無駄な残業しないで、豊かな人生を送ることができるように願ってます!