現代人の生活は便利で豊かな反面、忙しくてとてもストレスが多いものです。田舎でのんびり暮らしたいなぁなんて思ったことのある人も多いのではないでしょうか?

実は私もずっと田舎暮らしをして、畑で野菜を自給する生活に憧れていました。土をいじりながらのんびりと生活できたら良いなぁと思いながらも、自分には無理だと諦めて、毎日、必死で働いていたのです。

しかし、最初は無理と諦めていましたが、毎日ストレスを感じながら働いているうちに、地方移住することが自分の使命のように感じ始めたのです。私は日本人がこのままのライフスタイルで生活していると、将来がまずいことになると感じたのです!

「地方移住が使命だと感じた」なんて大げさに感じるかもしれません。でも、現代の日本社会は例えるなら、沈没する運命にあるタイタニック号のようなものです。

私はある日、そんな虚飾の豪華客船から早く降りた方が良いことに気付いたのです。

誰でも幸せで豊かな生活をしたいと思って、毎日、精一杯頑張って生きています。しかし、その頑張りが日本を衰退させていくことになるかもしれません。

じゃあ、いったいなぜ地方移住すると日本の将来のためになるのでしょうか?

というわけで、今回は私がなぜ地方移住するのか、その理由を書いていきます。

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目次

私が仕事を辞めた経緯

なぜ私が地方移住を決心したのか、そのきっかけは私が以前働いていた職場にあります。

今の日本社会の問題の縮図がそこにあることに気付いたのです。

そこで、まず私が仕事を辞めるまでの経緯から簡単にお伝えします。

熾烈な競争を繰り広げる業界

私が以前、勤めていた会社は大手携帯電話会社でした。いわゆる大手通信キャリア3社のうちの一つで、その会社のシステム開発部門のITエンジニアでした。

今や日本の携帯電話市場は飽和状態にあります。その中で大手通信キャリア3社は、お互いのシェアを奪い合う、熾烈な競争を繰り広げています。最近は定額料金がウリの格安スマホなども出てきて、ますます市場は厳しさを増してきています。

斬新なサービスや新機種も生まれない中では、値段で勝負するしかありません。そうなると、コストカットするしかありません。

携帯電話会社がコストカットする対象として、真っ先に上がるのは、システム開発費です。

次々と倒れていく同僚たち

当時、私が所属していた部門では、とにかく開発費を削ることや業務効率化が最重要課題でした。

コストカットのためには、システム開発会社や協力会社のエンジニアに開発費の削減や、業務効率化の圧力をかけることになります。

無駄を省いて、業務効率化によってコストカットするのは良いことですが、それにも限界があります。過度なコストカットの要求を満たすには、最終的には人を減らすしかありません。私も含めた同僚たちは、上からのコストカットの圧力と、システム開発会社からの反発との板挟みで、強いストレスを感じる日々でした。

そんな職場で毎日健康に仕事する事など、難しい話です。辞めて去っていく人の半分近くは、心身の健康を崩したことが原因でした。

しかし、そんな人たちの事を気の毒に思うのと同時に、実は羨ましくも感じました。残された自分たちはこの大変な仕事を、今までより更に少ない人数で続けなければいけないからです。

「うつ病にでもなれば、仕事を続けなくても良いのに…。誰か自分にタオルを投げてくれないかなぁ」

いつしか、そんなことを考えるようになっていました。

そして、幸か不幸か遂にその時は訪れました。

持病が悪化して会社を休職

私は元々生まれつきの心臓の持病があります。それまでも無理をして仕事を続けていたのですが、ある日遂に心臓発作が起きて、仕事に行けなくなってしまったのです。

病院から貰った診断書には、うつ病とそれが原因で悪化した心臓の持病の病名が書いてありました。

診断書を見るまで自分がうつ病だとは考えてもみなかったので、非常に驚きました。そのあたりの事はこちらの記事に書いているので、良ければご覧ください。
仕事を辞める勇気を持つには?仕事を辞めようと決心した日!

私はうつ病はいわゆるブラック企業と言われる、過酷な職場に勤めている人がなるものだと考えていました。

うつ病になって仕事を休みたいとは思っていましたが、本心は「自分にはうつ病になる資格が無い!」と思っていたからです。

なぜなら私の会社は、ブラック企業とは全く逆の超ホワイト企業だからです!

私の会社は純白企業だった!

普通、”ブラック企業”と言えば、社員の健康や幸福を顧みずに、過重労働やサービス残業を強要したり、パワハラをするなどの特徴があります。いわば人権を無視した働き方を強要するわけです。

しかし、私の会社はそんなことありません。1ヶ月の残業は38時間以内、1年間の残業の合計も300時間に収めるようにしています。労働組合が厳しくチェックしてるため、それを超える残業は不可能です。

社内システムを使って残業申請してないと、定時を過ぎた時に強制的にパソコンが使えなくなるため、サービス残業も不可能です。上司も同僚もとても良い人たちで、誰一人仲間に無理を押し付けるようなことはしません。

IT業界でこれほどのホワイト企業は無いと言っても、過言じゃないのです!しかし、それでも私を含めた多くの人が、うつ病を始めとした、様々な病気になって辞めていくのです。

休職してしばらく経って落ち着いたある日、私はなぜ自分や同僚たちがうつ病になってしまったのかを考えてみました。

その結果、問題は会社ではなく、あまりに競争が厳しすぎる携帯電話業界自体が悪いのではないかと思ったのです。そして、更にそのような競争を良しとする、現代の日本の経済システムに根本的な原因があると考えたのです。

では、私が考えるその根本的な原因とは何なのでしょうか?

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現代の資本主義の問題

戦後の日本は奇跡的な経済成長を遂げました。

圧倒的な品質の日本製品は世界中で売れました。世界では今でも「Made in Japan」は高品質と同じ意味の言葉です。

しかし、21世紀になると、その経済成長も過去のものとなりました。日本経済はずっと停滞しています。

日本はダメな国になってしまったのでしょうか?決してそうではありません。単に日本の経済成長は限界に達して、もはや伸びしろが無くなっただけなのです!

それにもかかわらず、日本は相変わらず戦後の経済成長の幻を追い求めています。政府は経済成長を目指す政策を掲げ、日本企業は売り上げを伸ばすことを目的にした経営方針を変えません。

このまま経済成長を求めていくと、どんどん日本は衰退していくのです。

無理な成長目標は他者からの搾取を招く!

戦後の日本が経済成長を遂げた理由は、何と言っても、日本企業が作る製品の品質の良さでした。

このように付加価値の高い製品だったからこそ、世界中で売れたのです。商売の基本は、この”付加価値を付けて売る“ことなのです。

しかし、現代は技術革新も進み、世界各国との競争も激しくなってきました。

そんな中で、昔のように画期的なアイディアや、群を抜くような機能を開発することが難しくなってきています。そうなると、後は価格を下げる事でしか勝負できなくなってしまいます。

最初は効率化によって、コストカットしていきますが、それも限界に達すると今度は他者から搾取することで、価格を下げようとします。

この他者からの搾取は次の3段階で進みます。

  1. 他国からの搾取
  2. 隣人からの搾取
  3. 子孫からの搾取


資本主義経済が限界に達すると、この他者からの搾取が生まれます。いったい、他者からの搾取とは、どういうことなのでしょうか?

順番に説明していきます。

他国からの搾取

まず、最初に起きるのは他国の労働者からの搾取です。

今の日本企業は世界との競争の中で、どんどん海外進出を進めています。そして、労働者の賃金が安い国に工場を建てるのです。

今の時代、ある程度規模の大きな会社であれば、どんな会社でも海外進出をしています。これが悪い事だと考える人は誰もいないでしょう。

しかし、これを他国の労働者から見るとどうでしょう?本来、日本の労働者がやれば貰えるはずの賃金よりも、はるかに安い賃金しか貰えないのです。その差額は雇い主である企業に入ります。

これは見方を変えれば、他国の労働者が本来貰えるはずの賃金を搾取している形になるのです。

ところが、ライバル企業も同じように海外進出をしたり、工場のある国が豊かになることで、労働者の賃金が上がると、更に別の所からの搾取が始まります。

隣人からの搾取

海外進出だけでは、コストカットが限界になると、今度はもっと身近な他者からの搾取を始めます。その代表的なものが非正規労働者です。

日本は世界の中でも、特に労働者の権利が守られている国です。各種の保険や年金の一部も会社が負担しています。また、会社は簡単には労働者を解雇できません。

これは正規労働者にとっては、とても良い事です。しかし、会社にとっては労働者を正規雇用で雇うことは、コストもリスクも高くなるという側面があります。

そうなると、会社は賃金の安い非正規労働者を雇うことになるのです。

私の以前の会社の場合、同じ部の中に協力会社のエンジニアも在籍していました。協力会社の人たちも同じ仕事をしているのに、賃金には開きがあるのです。更に仕事が無くなれば、協力会社の人たちから先に減らされていきます。

このようにコストカットが過剰になると、同じ日本人の中でも、搾取が始まるのです。これを続けていると、経済格差が広がり、貧富の差が激しくなります。今の日本経済は、中間層と呼ばれる人からの搾取を続けています。こんなことを続けていれば、いずれ中間層などいなくなってしまいます。

では国内から中間層がいなくなって奪い取る相手がいなくなれば、もう終わりかというとそうではありません。実は更に別の相手から搾取を始めるのです。

子孫からの搾取

搾取できる相手が、他国からも国内からもいなくなると、今度は未来から、つまり私たちの子孫から搾取を始めるのです。

最も分かりやすいのは、政府の赤字国債の発行や、中央銀行の量的緩和政策です。これらは今の経済システムを維持するために、将来にツケを回しているだけに過ぎません。

また、企業は効率化してコストを下げるために、製品を大量生産します。しかし、現代は物があふれています。売れる見込みのない物を大量生産して、大量廃棄することは、資源の無駄遣いと、環境破壊につながります。これもまた、私たちの子孫がその代償を払うことになるのです。

問題の根本はお金を稼ぎ過ぎること

今の日本は持続的な経済成長こそが、豊かさと幸福をもたらすという考えから抜け出せていません。

しかし、実際には、無理な経済成長を追い求めた先には、誰も得しないばかりか、逆に衰退が待っています。

いったい何ために経済成長を目指すのでしょうか?お金を稼ぐ目的は何なのでしょうか?

もはや、無理にお金を稼ぐことでは、幸せになることはできないのです。その考えから抜け出さなければ、真の豊かな生活は難しいのです。

そうは言っても、お金を稼がずに生活するなんてことができるのでしょうか?もちろん、全くお金を稼ぐなと言いたいわけではありません。

大切なのは、お金への依存度を適正なレベルにまで下げることなのです。実はそのために私は地方移住を選んだのです。

では、なぜ地方移住がお金への依存度を下げるのでしょうか?

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お金への依存度を適正にすることが未来を救う!

私は無理にお金を稼ごうとすると、色々な問題があると気付きました。そして、お金への依存度を下げるにはどうすれば良いのかと考えるようになりました。

そして、私が出した結論が、衣食住を自分で何とかする事だったのです。

実際には”衣”に関しては、そんなにこだわりもなく、生活費に占める割合も低いので、”食”と”住”について考えたのです。

最初は家賃の安い場所に引っ越す

“住”を何とかすると言っても、いきなり自分で家を建てるのは、非現実的です。田舎に行けば、空き家をタダ同然で借りれると、良く聞きます。しかし、それも人間同士の信頼関係が十分にあってこそです。

そこで、最初から田舎に引っ越すのではなく、まずは地方都市に移住することにしました。それなら東京よりも家賃は安く済みます

まずは地方生活に慣れて、そして将来的には、更に田舎に移住することも考えています。

食べ物は畑を借りて作る

“食”に関しては、野菜を自分で作ることにしました。

そうは言っても都会からいきなり田舎に移り住んで、広い畑で野菜を作ろうとしても、素人の私には大変です。それに縁もゆかりもない場所に行って、畑を借りれる保証もありません。

そこで、最初は貸農園を借りて、小さなスペースの畑で食料を作ることにしました。まずは野菜作りに慣れて、それを自分のライフスタイルに組み込むのです。

そして、慣れてきたら、田んぼでお米を作ったりして、更に自分で作る食糧を増やしていく予定です。

これ以外にもどうしても自分の生活に必要な物以外には、お金を使わないようにします。もちろん、医療費など自分ではどうすることもできない物事はあります。そのためにはお金は絶対に必要です。

大切なのは必要な分だけ稼ぐことなのです!

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まとめ

今の日本の経済成長は既に限界です。それにも関わらず無理な経済成長を追い求めるのは、自分で自分の生活を厳しくしているようなものです。

今の日本はタイタニック号のようなものです。資本主義という海の上を、経済成長を目指して進む日本という船は、既に十分に豊かになって肥大しきっています。そして、もはやその巨大な船体を維持することは既に困難で、いずれ沈没する運命にあります

私たちは早くそんな船から降りる方が賢明です。資本主義の海から上がって、必要な分のお金だけ稼ぐという、地に足を付けた生活をするのです。

い場所です。

しかし、まずは一歩を踏み出すことが大事だと考えたのです。これはゴールではなく通過点です。いずれはもっと田舎に住むのが夢です!

皆さんも今の自分がどこに向かっているのか、少し考えてみてください。お金を稼ぐことばかりが、幸せになるための手段じゃないと感じたなら、是非、自分なりのお金に依存しないライフスタイルを考えてみてくださいね!