ブラック企業なんて言葉が有名になってから、だいぶ時間が経ち、今ではちょっと死後になりつつあるくらいです。
でも、私はこの言葉を聞くようになってから、ずっと釈然としないことがあります。それはブラック企業の定義がよく分からないという事です。
ブラック企業というと、なんとなく社員の人権や労働基準法を無視して、ボロボロになるまで働かせる会社といった感じですよね?
でも、実際にはそれらを守っているホワイト企業の社員であっても、ボロボロになっちゃう人をたくさん見てきました。
いったいこれってなぜなんでしょう?そして、本当の問題はどこにあるのでしょうか?
今回は日本社会の本当のブラックな部分と、そこから離れた脱ブラックライフスタイルについてお伝えします。
目次
ブラック企業の定義って?
ブラック企業というと、社員がボロボロになるまで無理に働かせる悪者のイメージですよね。そんな会社に入ったら最後、心身がボロボロになって、病気になってしまうなんて思われています。
じゃあ、具体的にはブラック企業の定義って何なのかと思い、調べてみました。ところが、色んな情報は見つかるものの、実はハッキリとした定義が無いことが分かりました。
それでも、様々な情報をまとめると大体こんな感じみたいです。
- 長時間労働を強要する
- 社員を使い捨てにする
- 休暇が少ない
- 低賃金
- 残業代を支払わない(サービス残業)
- 過度のノルマを課す
- パワハラが常態化している
これらがなぜ問題かと言えば、肉体的な疲労や精神的なストレスによって病気になったり、いわゆるワーキングプアなどを生む原因になるからです。
では、逆にこれらの項目が一切当てはまらない会社であれば、問題は無いのでしょうか?実は私がサラリーマン時代に働いていた会社は東証一部上場企業で、日本人なら誰でも知ってる超有名企業でした。
非常に強い労働組合があり、月あたりの残業時間の上限も厳しく守られていました。残業時間がオーバーしそうになると、労働組合から上司に対して、それ以上残業させないように警告の電話が来るのです。だからといって、サービス残業をしようとしても、社内のパソコンにログインしてる時間が、労働時間としてしっかりと管理されているので、それもできません。
有給休暇も使わないままで、消失しないように、これまたしっかりと労働組合から上司に警告が来ます。上司も労働組合から怒られるのが嫌なので、有給休暇が余っている部下には、”休むように”圧力をかけるほどでした^^;
労働環境を良好に保つための社内研修も充実していて、過度なノルマやパワハラもありません。
賃金だって、一部上場企業にふさわしい金額だったと思います。(私は平社員だったので、それなりでしたが…)
私が勤めていた会社は、ブラック企業とは正反対の純白ホワイト企業だったと胸を張って言えます。
しかし、そんな理想的なホワイト企業であっても、実際は過労やうつ病で休職する人は、とても多かったのです。部の中には常に体調不良で長期休暇している人が2人~3人いましたし、会社を辞めていく人の半分近くは、仕事のストレスが原因で体調を崩したからでした。
そして、私自身も仕事のストレスが原因で徐々に持病が悪化して、最終的には会社を辞めることになりました。
サラリーマン時代の私は、どんどん体調が悪くなる中でも、無理して仕事を続けていました。なぜならこんなホワイト企業でも仕事が続けられないのであれば、他のどんな会社でも働けないと思ったからです。ここで逃げたら自分は社会人失格だとさえ考え、それだけは受け入れられないと思っていました。
でも、ちょっと冷静になって、周りを見てみれば、同僚たちの中にも、ストレスで体を壊している人がたくさんいるわけです。自分だけが特別、弱いわけではなかったのです。
こんな真っ白な、ホワイト企業でもそうだとしたら、世の中の他の会社でも、多くの人が苦しんでいるのではないでしょうか?
もちろんブラック企業の方が、より多くの人を病気や貧困で苦しめているのは事実です。しかし、実は世の中のほとんどの会社でも、多くの人が同じような苦しみに合っているわけです。
こうなると問題の本質はブラック企業ではなく、どこか他にあるように思えます。
では、その本質はどこにあるのでしょうか?
日本はブラック社会化している!?
そもそも、私が以前勤めていた会社は、どうしてそんなに大変だったのでしょうか?
私の会社は大手の通信事業会社で、非常に熾烈な競争を続けている業界でした。私はそんな会社のシステム開発部門でシステムエンジニアをやっていました。
常に新サービスが短期間でリリースされるため、複数の開発案件が同時並行で進み、更に稼働中のシステムの運用もやっていく、ハードな職場でした。
その上、価格競争に勝つためのコストカットの圧力が常にあり、少ない人出で責任重大な仕事を毎日続けていたのです。
このような仕事は、当然、心身に大きな負担になります。
つまり、会社はホワイト企業であっても、その仕事内容が厳しすぎることが問題だったのです。どんなに社員をケアしたとしても、それでは追い付かないのです。
競合他社は手を緩めてはくれません。恐らく同じように多くの社員の健康を犠牲にして、企業活動を続けているのです。
まさしくチキンレースです。競争を止めたら、売り上げが下がって、リストラが必要になり、多くの人が職を失うでしょう。
そして、これと同じようなことは、どんな業界でも起きていることです。
今や日本の経済成長は頭打ちで、頑張って働いても昔ほどの見返りはありません。世界との厳しい競争にさらされて、経済成長どころか、現状維持も厳しくなっています。
このような状況の中で、日本の企業は売り上げを維持するために、無理な競争を続けているのです。
本当に問題なのは、このような日本企業の現状です。言い換えるなら、今の日本企業で働くライフスタイルはブラックライフスタイルなのです。
ブラック企業だったら、思い切って転職してしまえば、状況が良くなる可能性があります。
しかし、サラリーマン自体がブラックライフスタイルだとしたら、状況を変えるのは簡単ではありません。
では、どうすれば良いんでしょうか?
ブラックライフスタイルを止めよう!
サラリーマンがブラックライフスタイルだというなら、もはやそのライフスタイルを変えるしかありません。
では、サラリーマンを辞めてしまえばいいのでしょうか?
私は「サラリーマン=ブラックライフスタイル」だと言いたいわけではありません。問題の本質は、最終的に誰も勝者のいない不毛な競争を続けることです。
どうせ勝てないのなら、競争するのを止めてしまえば良いのです。
そして、ここで言う競争とは、例えばこういうことです。
- 仕事が大変だから毎日終電まで働く
- 生活費を稼ぐために仕事を頑張る
- 周りの人が頑張ってるから自分も頑張る
- もっと豊かな生活がしたいから、収入を増やすために頑張る
⇒上司や同僚にお願いして、自分ができる範囲の仕事にしてもらう
⇒生活費がかからない生活に変えて、仕事も頑張らない
⇒頑張れない自分を受け入れる
⇒お金が必要ない豊かさを見つける
ここに書いたことは、当たり前のことばかりかもしれません。「それができたら苦労はないんだよ!」という声が聞こえてきそうです。
実は私もこういうライフスタイルに変えれば、今より絶対に幸せな生活ができると、ずっと前から分かっていました。
でも、実際には何も変えませんでした。理由は単純に”怖い“からです。そんな生き方をしたことが無いので、そんなことが自分にできるとは思えませんでした。
結局、私の場合は先に体を壊してしまい、嫌でもそうせざるを得ませんでした。将来の不安を常に感じながら、無理な競争をしなくても済むライフスタイルに急激にシフトしていきました。
追い詰められてから変えようとするのは、別の方たちのストレスになります。
まだ追い詰められてないうちに、少しずつブラックライフスタイルから離れていくことをおすすめします。
まとめ
今の日本社会では、毎日の生活に追われて疲弊していく人がたくさんいます。
その原因は少し前までは、ブラック企業にあったかもしれません。
しかし、今はどんな会社に勤めていても、関係無くなってきているように感じます。
資本主義の原理の中で、今までと同じように競争を続けてる生き方は、もはやブラックライフスタイルになってきています。
それを続けて、知らぬ間に疲弊してしまわないように、無理な競争を自分から止めてみてください。
例えばこんなことです。
- 上司や同僚にお願いして、自分ができる範囲の仕事にしてもらう
- 生活費がかからない生活に変えて、仕事も頑張らない
- 頑張れない自分を受け入れる
- お金が必要ない豊かさを見つける
頑張って厳しい競争を勝ち抜くことで、収入を得てきた人にとっては、こんなことは怖くて、すぐにはできないかもしれません。
多くの人は、ライフスタイルを変えたいと願っていますが、実際には怖くてなかなかできません。しかし、追い詰められてから一気に変えようとしても、とても難しいです。
是非、今からできる範囲で、脱ブラックライフスタイルを始めてみてくださいね。