最近、よく聞く言葉にダイバーシティ(diversity)という言葉があります。日本語では多様性と訳される言葉です。
文化や思想、宗教、ライフスタイルなどは十人十色ですが、この違いを理解し尊重することによる相互作用が、社会全体を良くするという考え方です。
社会に多様性を生むための色々な取り組みが行われているようですが、まだまだ日本は十分とは言えないようです。
例えば私たちの働き方もその一つです。
私はストレスが原因で体調を崩してしまい、サラリーマンを続けることができなくなったことがきっかけで、フリーランスとして独立しました。
脱サラというと憧れを抱く人も多いかもしれません。しかし、私の場合、その時点ではまだ稼ぎも安定していなかったため、もう少しストレスの少ない部署に異動願いを出そうか真剣に悩みました。しかし、毎日定時で働くことすら困難になってしまったため、やむを得ずフリーランスになったというのが正直なところです。
40歳を過ぎてしまうと再就職がかなり困難になるため、辞める決心をするまではとても悩みました。そして、その時につくづく思ったのが「もっと簡単に再就職できれば、気楽に仕事を辞めることができるのに…」ということでした。
今の職場が自分に合わないと感じたり、何かに挑戦して失敗しても、簡単にやり直しができれば、自然に働き方の多様性も生まれる気がします。
なぜ日本は”やり直し”が難しいのでしょうか?
目次
日本は挑戦する時のリスクが高い!
私の40代の友人の中に、最近転職をした人がいるのですが、40社以上に履歴書を送ったが、面接ができたのは1社だけだったという人がいました。
その人は脱サラして小売業を経営していたのですが、その仕事を辞めて再就職するのは並大抵のことではなかったそうです。
高齢以外にも、次のような場合も就職が困難です。
- 非正規雇用から正規雇用になるのが大変!
- 子育てのために仕事を辞めた主婦が社会復帰しにくい
- 障害者の就職が困難
苦労して就職した会社を辞めてしまうと、再び就職するのはとても大変です。再就職が難しいとなると、今の仕事が自分に合わなくても簡単に辞めることができずに無理して続けて、健康を壊す危険もあります。
また、独立起業しようと思っても、再就職が困難だと、失敗した時に戻る場所が無いため、挑戦しようという気持ちが持ちにくいでしょう。
そのせいなのか分かりませんが、今の日本のサラリーマンの割合は全体の8割にもなるそうです。
⇒日本のサラリーマンの割合!サラリーマンを辞める方法とは?
私の場合、週5日間9時~18時までという働き方が無理なので、転職しても解決にならないと考えました。そして、もはや働き方を変えるしかないと気付いた時に、自分の健康状態で可能な働き方なんてあるのだろうかと途方にくれたものです。
おかげさまで今ではアフィリエイトで稼げるようになりました。しかし、月5,000円以上稼げる人ですら全体の1割しかいないこの仕事で、これだけで生活できるようになる人の率なんてどの程度なんでしょうか…?
失敗したらサラリーマンに戻れなかったかもしれないと思うと、本当に奇跡的なことだと思います。
でも、奇跡に頼らなくても自分に合った働き方ができる社会であった方が良いに決まっていますよね。
では、どうすれば良いのでしょうか?
流動性が上がれば自然に多様化する!
働き方の多様性を生むための1つの方法としては、職業の流動性を上げることがあると思います。
自分に合った働き方やライフスタイルを見つけるまで、色んなことに挑戦できれば自然に多様性が生まれるはずです。
サラリーマン以外の働き方で生活していくのは、とても困難です。飲食店経営であれば成功率は1%以下だそうです。アフィリエイターであれば更に低い確率なのではないでしょうか…。
でも、極端な話、成功率1%以下でも何回も挑戦していれば、いつか成功するはずです。
新しい働き方に挑戦するためのハードルを下げるには、失敗しても元に戻りやすい環境を作ることも一つの方法だと思います。
では、具体的にどうすれば働き方の流動性が上がるんでしょうか?
働き方の流動性はどうすれば上がるのか?
働き方の流動性を上げるには、やはり痛みを伴う変化がないと難しいと思います。
私が考えた方法は次の3つです。
- 企業が労働者を解雇しやすくする
- 個人事業主を保護する
- 非正規雇用と正規雇用の賃金格差をなくす
具体的にどんな内容なのか、順番に説明しますね!
企業が労働者を解雇しやすくする
日本は先進国の中でも、労働者を手厚く守っている国です。しかし、過保護過ぎると企業の負担は当然増します。その結果、次のような弊害が生まれます。
- 労働者を雇うと様々な面でコストが高いので、小人数しか雇わない
- 変な人材を雇うリスクを避けたいので、応募者を厳選する
- 企業は慢性的な人手不足なので、労働者の負担が増す
労働者を過度に守ることを企業に義務付けると、企業にとって新しい労働者を雇うリスクが増してしまいます。
そのため、企業側にも労働者を選ぶ自由を上げて、そのリスクを減らしてあげるのです。当然、解雇しやすくする分、積極的に労働者を雇うことも義務付けるのです。
とは言っても、労働者側にも痛みが伴う過激なアイディアなのでで、誰も賛成しそうにないですね^^;
個人事業主をサポートする
経営者と労働者のどちらを守るべきかと言えば、歴史的に見ても労働者に決まってます。
しかし、今の日本の働き方がここまで偏っている以上、もう少し独立起業する人をサポートする制度も作って欲しいものです。
独立起業する人が増えることは、働き方の多様性が増すだけでなく、新しい雇用だって生まれます。
政府も企業に賃金のベースアップの圧力をかけるよりも、個人事業主をサポートした方が、独立起業や副業をする人が増えて、長期的には経済効果があると思うんですがね~。
非正規雇用と正規雇用の賃金格差をなくす
いわゆる”同一労働同一賃金“というやつですね。
政府も既に実現に向けて動いているようですが、正規雇用の人たちの賃金が下がることが予想されるので、反対する人も多いようです。
でも、たとえパートタイムで働いても、正社員と同じ時給が貰えるのであれば、空いた時間で副業をやる人だって増えるでしょう。
副業の内容によっては、本業を超える収入を得ることも可能なので、働き方の多様性に直結するとても良いことだと思います。
まとめ
働き方に多様性があるという事は、選択肢が多いという事です。
今の日本ではサラリーマンの過重労働が問題になっています。その一つの原因は働き方の選択肢が他にないことが大きいのです。
サラリーマンの働き方がピッタリ合っている人もいれば、私のように合わない人もいます。そのような人のためにも働き方を多様化して選択肢を増やすことはとても重要です。
ただし、ただ選択肢を増やしても、最初から自分にピッタリの働き方を見つけることは困難です。自分に合った働き方を見つけられるまで、何度でもやり直せることが重要です。
そのためには職業の流動性を高めることも重要ではないでしょうか?
でも、長い人生、自分のライフスタイルもその時々によって変わります。働き方の選択肢が多い方が、より生活しやすいものです。
その代わりに失うものもありますが、失った分は自分で働いて取り戻すという考えを、私たちも持っていければもっと良い働き方ができると信じています!