私は思いがけず、うつ病と診断されて休職し、その1年後にサラリーマンを辞めて独立しました。
肉体的な病気なら、おとなしく休んで療養すれば良いのですが、うつ病の場合、肉体的な病気とは違い、頑張れば体を動かして活動することもできてしまいます。
そのため、休職中の過ごし方には、色々な戸惑いがありました。家にいると気が滅入ってしまい、だからといって外出すると平日の昼間になんの仕事もしていない自分に罪悪感を感じたりしました。
私の場合は元の会社への復職とは別の形でしたが、ちゃんと社会復帰できました。その大きなポイントは、人生の方向修正が、上手にできたからだと思います。
うつ病は肉体の病気とは違い、自分の心や考え方、ライフスタイルなどを見直さなければ、根本的な解決は難しいものです。
休職中の期間をただ過ごしていても、症状は改善しますが、せっかくなら再発しない状態を目指した方が良いですよね!
というわけで、今回はうつ病で休職中に私がやっていた過ごし方を「休職直後」、「方向修正期」、「復活期」の3つに分けて紹介します!
ちなみに、これは私が自分の主治医と相談しながら実践して、とても良かった事を基に書いています。
人それぞれ症状には差があるので、ここに書いたことを鵜呑みにせず、ご自分の主治医と相談しながらやってくださいね!
目次
休職直後
まずは休職直後の過ごし方を見ていきましょう。
この時期に大切なのは、とにかく早く症状を改善させることです。そのために最も大切なのは、仕事のことを頭から締め出して、一切ストレスの無い生活をすることです。
具体的には次の3つです。
- 好きなだけ寝る
- 好きなように過ごす
- 何も考えない
何だか、だらしない暮らしに思えるかもしれませんが、別に一生こんな生活をしろと言ってるわけではありません^^;
早く回復するにはとても大切なことなので、それぞれ、順番に説明していきますね。
好きなだけ寝る
うつ病の原因の一つに睡眠の乱れがあります。
ストレスによって、不眠が続いたり、睡眠サイクルが乱れたりすることは、メンタルヘルスにも良くありません。
特に休職直後は、心身にダメージが残っている状態です。そんな時に無理して規則正しい生活をしようとせず、眠れるのであれば、好きなだけ寝るのをおすすめします。
ちなみに私の場合はどうしても早朝に目が覚めてしまうので、昼寝をするようにしてました。
好きなように過ごす
最初のうちは、とにかくストレスを感じない生活をすることが大切です。
TVやDVDの映画を観るなど、何でも自分が好きな事をして過ごすようにしてください。
仕事もせずに、こんなことしてても良いんだろうか、なんて考える必要はありません。むしろそんなことを考えてると回復が遅くなります。
また、何かをやっていると、仕事のことを思い出さずに済むこともメリットです。
ただし、何もやる気が起こらないのであれば、無理しないで何もせず休んでいてください。好きな事をやらなければ回復しないわけではありません。
とにかく、無理することは逆効果なので、あくまでもやりたいことがあればで大丈夫です。
何も考えない
この時期は、仕事のことはもちろん、将来のことも一切考えないようにしてください。
ただただ、今その日の事だけを考えて、ストレスを感じないようにしてください。
過去のことを思い出すと、罪悪感や恥などの感情が出てくる可能性があります。
未来のことを考えると、不安の感情が出てくる可能性があります。
どちらも回復の妨げになるネガティブな感情です。
悩むにしてもその日の事だけにしましょう。
十分に休養すると、症状が劇的に回復してきます。でも、社会復帰なんて、まだまだです。
大切なのは、同じことを繰り返さないように、自分の考え方やライフスタイルを見直すことです。
そこで、ある程度症状が回復したら、今度は徐々に「方向修正」をしていきます。
方向修正期
個人差はあるのですが、休職してから1ヶ月~3ヶ月くらいした頃から、症状が劇的に改善してきます。
私の場合はちょっと早くて、2週間~3週間で症状は劇的に良くなったので、自分の考え方やライフスタイルの方向修正に取り組み始めました。
そのポイントは次の3つです。
- なるべく外出する
- 今までを振り返る
- これからのことを考える
もちろん、症状の回復具合には個人差があるので、次の段階に移るのは、自分の症状を見て慎重に判断してくださいね。
というわけで、順番に解説していきます。
なるべく外出する
体調が良い日は、なるべく外出するようにしましょう。
症状が良くなってくると、自宅にいる方が回復のためには、むしろ逆効果になることがあります。
特に晴れてる日は清々しい気持ちになって、回復のためにも良いので、積極的に家から出るようにしましょう!
今までを振り返る
体調が良くて外出したら、どこかゆっくりできるところを見つけて、今までを振り返ってみます。
例えば次のようなことです。
- 仕事でストレスを感じた原因
- 自分の心構えや考え方に間違いは無かったか?
- 今の仕事は自分に合ってるかどうか?
このようなことを冷静に振り返ってください。
注意して欲しいのは、決して自分や他人を責めたり、罪悪感や不安を感じたりしないでください。
客観的に自分を見直して、良かった事や悪かった事を考えてください。
また、これをやる時は体調が良い時にしてください。体調が悪い時に無理してやるのは禁物です!
これからのことを考える
今までのことを振り返ったら、同じように今度はこれからの事を考えてみてください。
例えばこんなことです。
- 自分に合った職種や働き方
- 変えた方が良い間違った考え方
- 理想のライフスタイル
可能かどうかは、とりあえず置いておいてまずは自分に正直になって考えてみてください。
また、将来の事を考えると、不安も感じやすいです。
そのため、これも体調が良い時にやるようにしてください。
これを調子が良い時に繰り返して、これからの方向性を見定めてください。
焦る必要は無いので、ゆっくりとやってください。
方向性が定まったら、次の段階に移ります。
復活期
復活期と言っても、うつ病が完治したわけではありません。
あくまでも復活に向けて、準備していく段階なので、体調が悪い時は、無理せずしっかり休むことが重要です。
その上で、この時期は次のように過ごすのがポイントです。
- 規則正しい生活をする
- 自分で決めたことをやる
- 体調が悪い時は必ず休む
あくまでも体調が良い時に限りますが、この時期はこれらのポイントに従い、できるだけ普通の生活をするようにしていきます。
というわけで、順番に見ていきましょう。
規則正しい生活をする
規則正しい生活を維持することは、体調の維持のためにも良い事です。
また、社会復帰するためにも必要不可欠です。
太陽が昇ったら起きて、3食を決まった時間に食べて、早い時間に寝る。
まずはこれをしっかりと心がけてください。
自分で決めたことをやる
社会復帰に向けて、必要と思う事を徐々にやっていきます。
この時に重要なのが、自分でやることを決めて、それを忠実にやっていくことです。
大切なのは行動量ではなく、自分で決めたことをやり遂げることです。ちょっとしたことで良いので、自分で決めたことを確実にやっていって、失った自信を徐々に取り戻していってください。
私の場合は、サラリーマンという働き方は自分には向いていないと確信したので、独立に向けて様々な準備を始めました。
最初は少しずつ準備作業をしながら、段々と作業量を増やしていき、最終的には毎日せっせと仕事をこなしていきました。
もちろん、体調と相談しながら、確実にできる範囲で進めていってください。
体調が悪い時は必ず休む
うつ病が改善して、完全に社会復帰するまでには、最低でも2年かかると言われています。
しばらく症状が無くなって良くなったなと思ってもまた、悪化するというのを繰り返していくものです。
社会復帰に向けて準備をしている間も、無理はせず、体調が悪い時は必ず休むようにしてください。
私の場合は、会社の上司や同僚の事を思い出すと、申し訳ない気持ちになり、憂鬱になって調子が悪くなるということを繰り返していました。
早く復帰したいと思っても、人それぞれペースが違うので、焦らずゆっくり進めていき、好不調の傾向を自分で把握するようにしてください。
まとめ
うつ病で休職した場合、とにかく焦らないことが大切です。
そのためにも、症状の改善を最優先にしながら、徐々に生活のリズムを取り戻していくことが大事です。
そして、休職中は次の3つに分けて過ごすことをおすすめします。
- 休職直後
- 方向修正期
- 復活期
とにかくストレスやネガティブな感情が出ないように、寝たいだけ寝て、好きなことをやる。症状の回復を最優先にする。
症状が改善してきたら、今までを振り返りこれからのことを考えてみる。ただし、体調が悪い時にはやらない。
社会復帰に向けて、自分で決めたことを着実にやる。作業量よりも少しの事を着実にやって自信を取り戻すことが大事。もちろん体調が悪い時にはやらないこと。
私の場合も休職して1年経って、会社を辞めるまではなんだかんだ言っても、完全には回復していませんでした。
今でも将来の事を考えると、不安になって調子を崩してしまいます。
うつ病の回復までにはとても時間がかかるものです。
体調が悪い時はしっかり休みながらも、徐々に復帰に向けて自分を整えていってくださいね!